新ブログ開設しました「アントマン&ワスプ クアントマニア」レビュー解説考察記事はこちらから


ウィルのおいしい生活ブログをいつもお読みいただきありがとうございます。

この度、映画専門のシン・ブログを開設したことをここに報告いたします。

 

すでにいくつかシン記事を公開しており、過去記事のリライトも行っていこうと考えています。

手始めにシン・ブログでマーベル最新作でアントマンシリーズ最新作の「アントマン&ワスプ クアントマニア」のレビュー記事を公開しました。

ご覧いただけますと幸いです。

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「ウィルのおいしい生活ブログ」は雑記ブログとして続けていこうと思います。

これからも何卒よろしくお願いいたします。

 

 

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映画「カラダ探し」レビューネタバレ解説考察 結末やその後 赤い人の正体は?

今回の映画は人気携帯小説が原作の「カラダ探し」です。
今回の記事では「カラダ探し」のレビューや見どころを紹介し、さらに作品をより深く楽しむための解説考察をしていきたいと思います。
映画の結末や赤い人の正体などネタバレ有で解説考察していきます。

カラダ探し(2022年)

カラダ探し

2022年製作/102分/PG12/日本
配給:ワーナー・ブラザース映画

あらすじ

7月5日、女子高生の森崎明日香は、校内でいるはずのない幼い少女と出会い、「私のカラダ、探して」という不気味な言葉をかけられる。不思議な出来事に違和感を覚えつつも、いつも通りの一日を終えようとしていた明日香。しかし、午前0時を迎えた瞬間、気が付くと彼女は深夜の学校にいた。そこには明日香の幼なじみで最近は疎遠になっていた高広と、普段は接点のないクラスメイト4人も一緒にいた。困惑する6人の前に、全身が血で染まった少女「赤い人」が現れ、6人を次々と惨殺していく。すると明日香は自室のベッドで目を覚まし、7月5日の朝に戻っていた。その日から6人は同じ日を繰り返すことになり、そのループを抜け出す唯一の方法は、とある少女のバラバラにされたカラダをすべて見つけ出すことだった。

カラダ探し : 作品情報 - 映画.com

スタッフ・キャスト

監督:羽住英一郎
脚本:土城温美
原作:ウェルザード
製作:原祐樹
   古屋厚

出演:橋本環奈
   眞栄田郷敦
   山本舞香
   神尾楓珠
   醍醐虎汰朗
   横田真悠
   栁俊太郎
   西田尚美
   柄本佑

カラダ探し レビュー

本作「カラダ探し」は2011年の携帯小説が原作で、ジャンプで漫画化、アニメ化もされた人気シリーズです。
今回の映画版では主人公明日香役に橋本環奈、幼馴染役に眞栄田郷敦など注目の若手キャストが勢揃いしています。

青春スプラッターホラー

バラバラになった身体を探し出すまで永遠に深夜午前0時の学校にループし続け、毎晩毎晩謎の「赤い人」に追われ惨殺され続けるという、内容だけ聞くと非常に残酷で怖いですが、映画はそこまで怖くないのでホラー苦手な方でも怖いもの見たさで楽しめるのでは無いでしょうか?

この映画の賛否分かれるところでもあるのですが、主人公たちが毎晩惨殺されることに対して恐怖心があまりないのか日常パートが眩しいほど青春で、深夜の残虐パートの恐怖を和らげてしまっているように感じました。

ただ、淡々と物語が進んでいくので最後まで飽きずに観ることができました。

まるでゲーム感覚で、死んでもコンティニューできるという安心感が深夜のサークル活動感を醸し出してしまっているように感じ、

この映画は「何事にも死ぬ気で頑張れよ」というようなメッセージを伝えたかったのかなとも思ったりしました。

赤い人第二形態が怖い

身体のパーツも残り頭だけとなったところで、赤い人が第二形態に進化します。まるでシンゴジラのような目とガバッと空いた口で今度は主人公たちを食べ始めます。

食べられた人は次の朝もう存在しないという、コンティニュー不可のデスゲームに変化したところは、物語の要素的にも面白かったですね。
実際、原作者のウェルザードはオンラインゲームの要素も作品に盛り込んだと言っています。映画内で兼高もゲームをしていました。

ただ学校にチェーンソーがあるのかとかとか、早く棺桶に頭入れろよと言いたくなる主人公の行動など「?」になる部分はあるにせよ、デスゲームを攻略した後の解放感は爽快でした。

また、「赤い人」や「第二形態(エミリー)」「カラダのパーツ」など変な作り物感はなくかなりリアルに作りこまれているのは良かったですね。
この辺が安っぽくなってしまうと本当にダメな映画になってしまっていたと思います。

最後のオチが一番怖い

無事元の日常に戻って映画は終わるのですが、エンドロール後に続編を暗示するようなエピローグが流れるのですが、ここが一番怖かったです。
鑑賞後に爪痕を残すようで、映画は終わったけど恐怖はまだこれかだよと言わんばかりでした。

何だかんだ言って続編が出たら観たいなと思います。

総評

まるでタツでアイスを食べているようなホラーで気軽に観れる青春ホラー。

カラダ探し」という設定は面白く、もっとホラー要素強めにした方がよかったように感じる。

ジェットコースターのようにストーリーが展開するのでアトラクション感覚で楽しむには持って来いの映画。

しかし、スプラッター要素が苦手な方は注意です。

カラダ探し 解説考察

ここからは映画「カラダ探し」をより深く楽しむために作品を深堀していきたいと思います。

ネタバレを含みますので未見の方はご注意ください。

【結末】映画のラストはどうなった?

身体のパーツが残り「」だけとなり、「」を探す主人公たちは、以前プールで赤い人が持つ人形「エミリー」がプールの中に頭から沈んでいったのを思い出し「」が赤い人が持つ人形「エミリーの中にあるのではないかと推測します。

巨大化したエミリーを捕らえるための罠で身動きがとれなくなったエミリーの頭を高広がチェーンソーで切り裂くと中から「頭」が落ちてきて「頭」を手に入れることに成功します。

「頭」を棺桶に入れるために礼拝堂にたどり着いた明日香と高広ですが、エミリーはまだ死んではいませんでした。
襲い来るエミリーを足止めするために自ら犠牲になる高広。明日香は食べられていった仲間たちの名前を思いながらエミリーに立ち向かい、エミリーを倒します

最後、明日香が頭を棺桶に収めることで「カラダ探し」は終わるのでした。

7月6日の朝にもどり、TVのニュースで明日香たちの学校の古井戸から白骨化した頭部が発見されます。

明日香以外、記憶をなくしいつもの学校生活が始まるのですが、文化祭委員を決めるくじ引きで「カラダ探し」の参加者がまた集結することになるのでした。

記憶を失っていたはずの高広は「カラダ探し」の夜自分の事を忘れないために渡していたネクタイピンをきっかけに記憶を取り戻し明日香の笑顔で映画は終わります。

そして、エンドロール後。

礼拝堂の古井戸の中に落ちている「別荘敷地で小2少女惨殺」の新聞記事が「遊園地内で小2少女惨殺」に変わり、
被害者の「小野山美子(8歳)」が「森崎明日香(8歳)」に変わるのでした。

主人公たちのその後は

エンドロールで、スタッフロールの横で映画のダイジェストが流れていました。

記憶を取り戻した高広たちは再び「カラダ探し」の日々のようにお互い友達になり青春を謳歌したという暗示だったのではないかと考察します。

また「明日香」の体を探すために「カラダ探し」が始まってしまうのですが、束の間のハッピーエンドといったところでしょか。

最後の新聞の意味

「別荘敷地で小2少女惨殺」の新聞記事が「遊園地内で小2少女惨殺」に変わり、被害者の「小野山美子(8歳)」が「森崎明日香(8歳)」に変わるのですが、

この遊園地について映画内で少し言及されています。

図書室で作戦会議するシーンで、明日香と高広が幼馴染であることが明かされます。そのときに高広が幼少期のエピソードとして明日香たちの家族と遊園地に行ったときの事を話そうとしますが、よほど恥ずかしい事なのか明日香が口止めをします。

明日香だけ記事の少女の写真に蛆が湧くのが見えたり、井戸から大量の手が伸びてくるのを見たりと初めから次の犠牲者は決まっていたのかもしれません。

赤い人の正体・名前・子役は?

赤い人の正体は別荘敷地内で惨殺された少女で名前は小野山美子(8歳)でした。

演じるのは安永星良(やすながせら)ちゃんという子役で不気味な歩き方などとても怖く演技もとてもうまかったですね。

映画内では別荘地で惨殺された少女としか語られませんが、原作では約50年前に学校の校舎が建つ前に起きた強姦バラバラ殺人の被害者という事になっています。
音に反応し、人外の怪力の持ち主で主人公たちを襲います。

ホラー作品のオマージュ

本作「カラダ探し」では様々なホラー作品のオマージュが観られます。

原作者のウェルザードが「リング」や「13日の金曜日」「エルム街の悪夢」の要素を取り入れたと言っており、映画内でもその要素が引き継がれています。

古井戸といえば「リング(貞子)」ですし、「エクソシスト」のスパイダーウォークもありました。

他にも様々なオマージュが散りばめられていそうですが、

ラストの鉄パイプでエミリーを倒す橋本環奈は「サイン」のホアキン・フェニックスがバットで宇宙人を倒すシーンのオマージュなんじゃないかなと思っています。

will-oishiiseikatsu.hatenablog.com

映画「ヘルドッグス」レビュー解説考察 十朱が闇落ちした理由 アリチアの森とは

 

今回の映画は原田眞人監督、岡田准一主演の「ヘルドックス」です。

岡田准一演じる元警察官の兼高が関東最大のヤクザ組織に潜入しミッションを遂行するという極秘潜入モノの本作なのですが、

極秘潜入モノといえば「インファナル・アフェア」を思い浮かべますが、本作はただの潜入モノでは終わらず、原田監督節炸裂でエンターテインメントでありながら映画好きをも唸らせる演出の深さに恐れ入りました。

 

今回の記事では「ヘルドックス」の感想や見どころ、作品をより深く楽しむための深堀解説考察をしていきたいと思います。

ぜひ最後までお読みください。

 

 

ヘルドックス(2022年)

あらすじ

愛する人が殺される事件を止められなかったことから闇に落ち、復讐のみに生きてきた元警官・兼高昭吾。その獰猛さから警察組織に目をつけられた兼高は、関東最大のヤクザ「東鞘会(とうしょうかい)」への潜入という危険なミッションを強要される。兼高の任務は、組織の若きトップ・十朱が持つ秘密ファイルを奪取すること。警察はデータ分析により、兼高との相性が98%という東鞘会のサイコパスなヤクザ・室岡秀喜に白羽の矢を立て、兼高と室岡が組織内でバディとなるよう仕向ける。かくしてコンビを組むことになった2人は、猛スピードで組織を上り詰めていく。

ヘルドッグス : 作品情報 - 映画.com

 

スタッフ・キャスト

監督:原田眞人

原作:深町秋生

脚本:原田眞人

撮影:柴主高秀

美術:福澤勝広

格闘デザイン:岡田准一

 

出演:岡田准一

   坂口健太郎

   松岡茉優

   MIYAVI

   北村一輝

   大竹しのぶ

   金田哲

 

ヘルドッグス レビュー

原田監督といえば日本を代表する映画監督の一人で最近では1~2年に一本映画を撮っています。2021年には岡田准一主演で「燃えよ剣」、2018年には木村拓哉主演で「検察側の罪人」など73歳(2023年現在)となった今も精力的に活躍する監督です。

 

数多くある原田監督作品の中でもお気に入りは「さらば愛しき人よ」です。

映画「さらば愛しき人よ」レビュー解説バーに込められた意味を考察

佐藤浩市の「チャカとだんびらどっちが強いと思う?」のシーンが印象的でしたが、

本作もかなりのクセ強キャラクターやセリフが多く登場します。

しかし、それが破綻せずに映画内でのリアリティとなってどんどんと物語に引っ込まれていく造りは流石原田監督です。

 

役者陣がみな個性的

10年前であればジャニーズが主演と聞くと、アイドルが演技できるの?と偏見を持ってしまっていましたが、「ラーゲリより愛を込めて」の二宮和也はじめ、本作主演の岡田准一が最高に渋くカッコよかったですね。

室岡役を演じた坂口健太郎も良かったですね。死刑囚の息子でサイコパスというイメージとかけ離れた役でしたが、子供っぽさが残った残虐性が垣間見れてハマっていました。

他にも主役の脇を固める出月の上司役の酒向芳やMIYAVI、はんにゃ金田、オペラを歌うヤクザ吉原光夫など、他にも個性的な面々が多く魅力的な役者陣の演技が観れるのもこの映画の見どころです。

 

アクションは邦画内でもトップクラス

オーバーではなく計算されたようなアクションがスタイリッシュでカッコよかったですね。

肉弾戦からガンアクションまでアクションの種類も豊富なのが観ていて飽きませんでした。

岡田准一は他のボディーガードと並ぶと小柄なのですが筋肉質な肉体と切れのある動きが兼高という男の存在感を大きく見せており、岡田准一のはまり役と言っていいのではないでしょうか?

ヘルドックス2が観れたら嬉しいですね。

 

暴力描写はそれほどで女性の方も安心

ヤクザものの映画というとそれだけで嫌厭してしまう方もいるかと思いますが、ヘルドックスの暴力描写はそこまでひどくなくPG12指定なので体制のない方も楽しめると思います。

 

総評

とにかく上映時間を感じさせないテンポのいいストーリー展開に引き込まれ、最後まで楽しむことができました。

それぞれキャラクターの立った役者陣の演技も見どころで役者が本業ではないMIYAVIやはんにゃ金田も凄く良かったですね。

暴対法以降のヤクザ映画は「ヤクザと家族」や「すばらしき世界」など生きづらさを描いたものが多い印象ですが、「ヘルドックス」はヤクザ映画としてもアクション映画としても高いエンターテインメント性を誇っています。

原田眞人の作家性も垣間見え、原田監督に苦手意識がある方もぜひ見てほしい一作でした。

 

 

 

ヘルドッグス解説考察

ここからは「ヘルドックス」を解説考察し作品を深堀していきます。

ネタバレも含みますので「ヘルドックス」未見の方は視聴してからお読みいただくことをおススメします。

 

 

アリチアの森とは

金枝篇

画像引用:金枝篇 - Wikipedia

 

静かなる鏡のごとき湖が眠れるアリチアの森

その薄暗き木陰で

森を治むる祭司

殺さんと企てる者を殺し

いずれみずからも殺されん

 

兼高と十朱がつぶやいていた詩は「金枝篇(きんしへん)」と呼ばれるイギリスの社会人類学ジェームズ・フレイザーによって著された未開社会の神話・呪術・信仰に関する集成的研究書の中の一文です。

 

アリチアの森の祭司になれるものは一人だけで、祭司を殺した者が新たな祭司になる事ができる。

しかし新たに祭司になったものは、祭司の座を狙うものに狙われ続ける。

 

本作のテーマとなる重要な一節ですね。

映画冒頭から最後の復讐シーンにつながる

 

ちなみに金枝篇の英語タイトルは「The Golden Bough」で十朱が儀式を行っていた廃ホテルの名前も「The Golden Bough」でした。

 

アラビアのロマンスかワイルドバンチ

小津か黒澤」、「ピカソゴッホ」、「火星と木星」、「アラビアのロマンスかワイルドバンチ」と室岡が兼高に対してどっちが好きかを聞くシーンがあります。

シネフィルでもある原田監督らしいセリフで、兼高は「アラビアのロマンス」と即答します。

 

アラブの独立に向けてイギリスが送り込んだロレンスに自分を重ねているのだと思います。

ロレンスはイギリスの軍人として任務を遂行する半面、物語が進むにつれてロレンスはアラブの独立の為なのか母国イギリスの為に動くのか葛藤します。

兼高自身、家族仲間を大切にするヤクザ組織に気持ちが動いていることを表しているように思います。

 

兼高の心情を一言で表した素晴らしいセリフですね。

 

 

 

副題のIN THE HOUSE OF BAMBOO

ヘルドックスの副題に「IN THE HOUSE OF BAMBOO」と付けられています。

これはサミュエル・フラー監督の「東京暗黒街・竹の家」から引用です。

ホテルThe Golden Bough内の和食店の店名も「HOUSE OF BAMBOO」でしたね。

この映画も潜入捜査ものですし、原田監督はサミュエル・フラーを師匠と慕っており、そういった背景が映画に引用されています。

 

 

十朱が闇に落ちた理由

十朱自身も警察が送り込んだアンダーカバーでした。

ですが、十朱は警察を裏切り闇社会にのめり込んでいきます。

なぜ十朱は闇落ちしたのでしょうか?

 

その原因を示すような十朱のセリフがありました。

 

少女を猥褻目的で誘拐して惨殺した事件で、計画性がないから死刑とまでは言えないという判決に十朱は憤りを示します。

 

裁判員裁判の死刑判決を最高裁がひっくり返したのは10件目だよ

俺は死刑がやむをえないとまでは言えないと言う裁判官をさばきたくなる

 

国家権力の不当性に疑問や疑念を抱くようになったから十朱は警察を裏切ったのだと思います。

次のシーンでも水源を買い占める中国マフィアに灸を据えるシーンがあります。

 

十朱なりの正義を実行していることがよくわかります。

先代の計画である、極道の隠居所を作る事業を引き継ごうと考えているあたりも十朱の理念がうかがえます。

 

真っ白のハマーに乗っているというのは十朱の純粋さを感じますね。

 

原作は深町秋生の小説

原作は深町秋生の小説「ヘルドッグス 地獄の犬たち」です。

原作からストーリーが改変されており、「アラビアのロマンスかワイルドバンチ」などのセリフはもちろん映画オリジナルです。

さらに、ボスの愛人でアンダーカバーの吉佐恵美裏と室岡の幼馴染、勝所杏南は映画オリジナルキャラクターです。

 

 

イイヅカケイタ作画で漫画化もされています。

 

 

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