メランコリック 2019年
今回はメランコリックです。
インディーズ作品と言うことで、「カメラを止めるな」を引き合いに出されることもある作品です。
インディーさを感じさせない完成度の高さとストーリーの面白さでとても楽しめる作品でした!
メランコリックはこんな方にオススメ
・日常に潜む裏社会を見たい方
・新しいことにチャレンジしたい方
・銭湯好きな方
メランコリックのあらすじ
名門大学を卒業後、アルバイトを転々とし、うだつの上がらない生活を送っていた和彦。ある日、偶然訪れた銭湯で高校時代の同級生・百合と再会した彼は、そこで一緒に働かせてもらうことに。やがて和彦は、その銭湯が閉店後の深夜に浴場を「人を殺す場所」として貸し出していることを知る。さらに、同僚の松本が殺し屋であることが明らかになり……。
メランコリックのスタッフ・キャスト
監督・脚本:田中征爾
プロデューサー:皆川暢二
主演:皆川暢二(鍋岡和彦役)
磯崎義知(松本晃役)
吉田芽吹(副島百合役)
羽田真(東役)
矢田政伸(田中役)
ステファニー・アリエン(アンジェラ役)
浜谷康幸(小寺役)
メランコリックの意味
メランコリック【melancholic】とは、
憂鬱であるさま。物思いに沈むさま。
こういった意味があります。
東大を出たけど就職せずフリーターでいる鍋岡の日常を暗示しているようなタイトルです。
OneGoose ワングースとは
皆川暢二(プロデューサー・俳優)、田中征爾(監督・脚本)、磯﨑義知(俳優)の3名からなる映画製作チーム
このメランコリック所謂インディーズ作品なのですが、この3人組はまさしく精鋭部隊です。
監督である田中征爾は監督、脚本、編集を務め、主演である皆川暢二はプロヂューサーを務め規格の発起人でもあります。松本役の磯﨑義知は武術にも精通しておりアクションシーンの演出も行っています。
基本的に撮影は土日に行い、プロヂューサーである皆川は撮影の間に弁当の注文も行っていたそうです。
週数精鋭かつ低予算で最高の作品を作ってくださったワングースの次回作がとても楽しみです。
メランコリック感想
・この映画一応コメディーです
まだ見ていなかったなと思い、アマゾンプライムで視聴しました。
主人公が松の湯で繰り広げられる裏稼業にどんどんのめり込み、このままどうなってしまうのか先の見えない展開に引き込まれました。
ラストは気持ちのいい終わり方で満足感のある映画でした。
見終わってプライムの映画説明ページをよく見ると、
ジャンル コメディ
シリアスなポスターで勝手にサスペンスとかバイオレンス系だと思って見始めたのですがやはりコメディでしたか
確かにところどころシュールなシーンがあったのですが、
あれは本当に笑っていいポイントだったんだと見終わって納得しました。
とくに、殺しをこれから同量の松本に任せると、松の湯オーナーの東から伝えられた際に
「なんで松本なんですか!」
と、サラリーマンや部活を題材にした作品ばりに、なんで俺じゃないんですか!とオーナーに詰め寄るシーンはなかなか面白かったです。
ものすごい日常のリアリティに非日常なサスペンスがうまく溶け込んでいて、日常のリアリティの完成度が高い分サスペンス部分にも説得力があり、シュールなシーンや残忍なシーンもなんの違和感もありませんでした。
これって、劇中の鍋島と同じ状況に陥ってるというか、うまく感情移入できていたからかもしれません。
・役者の演技が凄い
陰キャという呼び方がピッタリな鍋島を完璧に演じている皆川暢二がよかったです。
メガネ外せばすごいイケメンなのに、あそこまで陰キャ感を出せるのはさすがだと思います。立ち姿や表情、しゃべり方がうまいなと思いました。
松本役の磯﨑義知もいい味出していました。よく仕事のできる後輩という感じがとても出ていて、鍋島に対して基本敬語で接するなど結構まともそうな感じがリアルでいそうです。
・自分で道を切り開け
今まで仕事を与えられていた鍋島と松本はラスト反逆にでます。その結果どうなるかは実際に映画を見て確認してほしいですが、
覚悟を決めて運命を切り開く男たちの姿に熱くなります。
観た後に清々しいのはやり切った感がるからかもしれません。
松の湯の今
千葉県浦安市に実際にある松の湯ですが、残念なことに 2021年2月28日で閉店されたそうです。
銭湯の心臓部であるボイラーの老朽化が原因だそうです。取替をするにしても費用が掛かるということで、全国でもこういった老朽化による休業や廃業は多いと思います。
少し寂しいですが、映画の中で松の湯があり続けるのはうれしいですね。
最後に
最後まで読んでいただきありがとうございました。
インディー作品ながら作っている中の人はものすごいプロでものすごくおもしろかったですし、ワングースの次回作が楽しみになりましたね。
自分はこのメランコリックをプライムビデオで視聴しました。
皆さんもぜひご覧になってください。