愛のコリーダ-1976年-
愛のコリーダを観たことがなかったので修復版を観に行きました。
2023年に大島渚作品が国立機関に収蔵される予定とのことで、今回が最後の大規模ロードショーになるそうです。
実際に起こった阿部定事件を基に作られ、性愛について徹底的に包み隠さづ描いています。
公式ホームページにもありますが、本番行為の検閲を逃れるためフィルムをフランスに送って編集し日本で上映するという逆輸入作品です。
初めてみるこの映画を劇場で観れてよかった。
その衝撃が覚めない間に記事に残しておこうと思います。
愛のコリーダのあらすじ
料亭「吉田屋」の住み込み女中となった定は、店の主人の吉蔵とひかれあい、情事を重ねる仲となる。やがてその関係が露呈したこと2人は駆け落ちし、さらなる愛欲の世界におぼれていくが……。
愛のコリーダのスタッフ・キャスト
監督:大島渚
出演:藤竜也
松田英子
愛のコリーダを初めて劇場で見た感想
・この映画を劇場で観れたということがうれしかった
映画のほぼ全部は絡みシーンというのもかなり衝撃ですが、それを他の観客もいる劇場で観たという体験ができてうれしかった。
映画館で映画を見るってこういうことだよなと、他人と同じ時間を共有する。しかも内容は性愛という日常では隠れた話題を共有する。
こういう映画が作られることはもうないだろうから貴重な体験でもありました。
演技なのか本気なのかわからなくなるほど、二人の存在に圧倒されました。
独占欲が日に日に強くなっていく定の心情の変化が痛いくらい伝わりました。
また、「いいよ」と定の全てを受け止める吉蔵の笑顔が印象的で、今までに吉蔵のように自分を肯定してくれる男性に出会ったことのなかった定が吉蔵にのめり込むのも仕方がなかったのかと思います。
阿部定事件の背景を考えるととてもせつないですね。
最後、「苦しいから最後まで絞めてね」と定に頼む吉蔵の言葉は本気だったのか考えさせられました。
このまま終わってもいいと、散発の帰り道にすれ違った兵隊と行く道は違えど命を捧げていたのかなと感じました。
最後に
今まで観てこなかった事を後悔しましたが、逆に劇場のスクリーンで初見できたことをとても有意義に思います。