映画「プラットフォーム」レビュー解説考察 施設の存在理由は?聖書がモチーフ?

今回ご紹介する映画は「プラットフォーム」です。

縦構造SFシュミレーションスリラーというキャッチコピーが斬新な今作。

日本では2021年1月に劇場公開され、謎の閉鎖空間の真ん中には長方形の穴が空いており、時間になると上から食事が乗った石板が下りてくるという謎に満ちた世界観の本作。

この記事では映画「プラットフォーム」のレビューや見どころ、解説・考察をして作品の深堀をしていきたいと思います。

なぜ、この施設は存在するのか?解き明かしていきましょう!

 

 

 

 

プラットフォーム(2019年)

プラットフォーム映画

2019年製作/94分/R15+/スペイン
原題:El Hoyo
配給:クロックワークス


www.youtube.com

 

プラットフォームのあらすじ

ある日、ゴレンは目が覚めると「48」階層にいた。部屋の真ん中に穴があいた階層が遥か下の方にまで伸びる塔のような建物の中、上の階層から順に食事が"プラットフォーム"と呼ばれる巨大な台座に乗って運ばれてくる。上からの残飯だが、ここでの食事はそこから摂るしかないのだ。同じ階層にいた、この建物のベテランの老人・トリマカシからここでのルールを聞かされる…1ヶ月後、ゴレンが目を覚ますと、そこは「171」階層で、ベッドに縛り付けられて身動きが取れなくなっていた!果たして、彼は生きてここから出られるのか!?

映画『プラットフォーム』公式サイト|2021年1月29日公開

 

プラットフォームのスタッフ・キャスト

監督:ガルダー・ガステル=ウルティア

出演:イバン・マサゲ

   アントニア・サン・フアン

   ソリオン・エギレオール

   エミリオ・ブワレ

   アレクサンドラ・マサンカイ

 

 

 

プラットフォーム 考察・レビュー・見どころ

この映画プラットフォームは資本主義社会の縮図のを現した世界観に聖書のモチーフをちりばめた作品だと言えます。

上位階層だけが食事(富)を独占し下層の人間は残飯や何も得ることができない極貧状態となっています。

そこに主人公であるゴレンがこのシステムに異議を唱えプラットフォームの被験者たちに最下層まで食事が行き渡るように分配しだします。

食事を配る疲弊した主人公ゴレンの姿は衰弱し頬がこけ、まるで絵画で見るキリストのような出で立ちでした。

はたして彼は被験者たちを説き、最下層の被験者たちまで救うことができるのでしょうか!?

 

今作のズバリ見どころは、

  • どうやってこの不条理なプラットフォームから生き延びるのか?
  • 人々を説得するためにどのような方法があるのだろうか?
  • 同じシチュエーションでありながら飽きさせない画作り

最後まで読めない展開にハラハラしながら自分だったらどうするかを想像しながら鑑賞するのも楽しいと思います。

ですが、自分含めて脱出できるシュミレーションできる人はそうそういないと思います。

 

この施設の存在理由

この施設はまさに社会実験施設のような役割を果てしているように思います。

 

そして、この施設は救世主を生み出すために作られたのではないでしょうか?

 

333階層からなる縦長の施設はまさしく社会のヒエラルキーを表しています。

富は上位層が独占し、残り物を食べることになる中間層、そして残飯しか残らない下層は生き残るために暴力が支配しています。

 

そして、主人公ゴレンは下層にまで食事が分配されるように秩序を作りまさしく政府や国のような役割を果たします。

 

なぜ救世主が必要だったのか?

おそらく地上の世界は人口爆発や食料危機など人類の危機が訪れているのではないでしょうか?

そんな世界を救うためにどうすればいいのかシュミレーションして、生き残った人間だけを選別していたのかもしれません。

考えただけでもぞっとしますね。

 

ラストの子供は存在するのか?

映画の結末は子供が希望の象徴のように施設を駆け上がるカットで終わります。

ですが、あの施設には16歳以下の子供がいることはありえないと語られていました。

食べ物を残しただけで部屋がそれを察知するほどのシステムなので子供が紛れ込んでしまうなんてことは不可能に近いと思われます。

 

考察するに、

  • ゴレンの妄想
  • 16歳以上だった

この二つなら成り立つのではないでしょうか?

 

ですが、映画的に死んだはずのトリマカシも登場することからゴレンの妄想説が濃厚のようにも思えます。

 

333階層の意味

全部で333階層の部屋が用意されていましたが333を数秘術的に読み解くと、

アセンデッドマスター(聖職者)の加護があることを表しています。

正しい方向へ導いてくれる、身分自身を見つめ直すといった意味があります。

 

しかし、ここから少し穏やかじゃなくなっていきます。

 

全ての階層には2人の人間がいました。

階層は333階層ですが、収容されている人間の数は666人となります。

分かる人には不吉な数字ですよね。

 

666を同じく数秘術的に読み解くと、

正しさを見失い迷っている状態を表しています。

天使からの警告であなたを心配していますという意味もあるそうです。

 

みんなで食糧を分配できれば全員が生き残れるのに上位階層の人間が食い荒らしてしまっている状態が当てはまりますよね。

 

そして聖書的に666を読み解くと

666とは獣の数字と呼ばれ、

「また、小さな者にも大きな者にも、富める者にも貧しい者にも、自由な身分の者にも奴隷にも、すべての者にその右手か額に刻印を押させた。そこで、この刻印のある者でなければ、物を買うことも、売ることもできないようになった。この刻印とはあの獣の名、あるいはその名の数字である。ここに知恵が必要である。賢い人は、獣の数字にどのような意味があるかを考えるがよい。数字は人間を指している。そして、数字は六百六十六である。」(新共同訳聖書 ヨハネの黙示録13章16-18節)

 

777が三位一体を表すのに対して666は不完全な人間を指しています。

666人が収容されている言わばこの監獄は地獄そのものを表していると言えます。

不正をすると部屋の温度が急上昇するのは業火とも言えますね。

 

数字の意味を読み解いていくとこの映画のストーリーは人間に対しての試練のようにも思えますし、主人公ゴレンがキリストなのだとすればキリストの受難を表しているようにも感じますね。

 

 

サスペンス、スリラー、密室脱出、都市伝説これらが好きな方におススメです。

 

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