「普通の人間が30年かかるところを。。。1日でやれるからですよ」
このセリフは六本木警察署副署長の石原杏子が暴力団「北彰会」会長の北条晃に対してヤクザになった理由を聞いた際に北条が返した言葉である。
こんなシビれるセリフあるだろうか、力(暴力)でねじ伏せるヤクザの性質を上手く表したせりふですよね。
とにかく池上遼一、史村翔の漫画「サンクチュアリ」は自分にとってかけがえのない作品の一つで、前々から実写映画も観たいと思っていたのですがサブスクでの配信もなく視聴ハードルも高かったのですがようやく視聴することができました。
今回は前作との違いも交えながらレビューしていきたいと思います。
サンクチュアリ(1995年)
1995年製作/103分/日本
原題:Sanctuary
配給:シネウェーブ(配給協力*T.A.F.)
あらすじ
幼い頃をプノンペンで過ごしていた北条と浅見は、クメール・ルージュ軍の侵攻に伴い、それぞれの両親と別れ別れとなってしまう。命からがらタイへ越境した二人は、そこで日本人看護婦に助けられ、初めて故国日本の土を踏むことになる。しかし、二人の目の前に広がるその地は、繁栄と平和を貪る、腐敗しきった堕落の国だった。北条と浅見は“本当の人間”を育むことの出来る国家建設を夢見て、表と裏の世界から日本を改造していくことを決意。頂上を目指して、それぞれの世界に身を投じて行くのであった。
スタッフ・キャスト
監督:藤由紀夫
脚色:安本莞二
原作:史村翔
出演:永澤俊矢
青木義朗
サンクチュアリ レビュー解説
サンクチュアリといえば芸能人などでもファンを公言する人が多い名作漫画です。
壮絶な生い立ちを背負った二人の若者が軟弱になった日本を表の世界と裏の世界から立て直すという物語で、読んだ人の心を熱くさせるそんなパワーをもった作品です。
原作は史村翔で、武論尊でのペンネームでご存じの方も多いかもしれません。作画は池上遼一で、二人の共作に「HEAT」「BEGIN」などがあります。
映画版はパート3まであるそうなのですが、パート1しかDVD化されておらず、パート2、パート3はVHSしかないのが残念です。値段もプレミア価格なのでサブスク配信にきてほしいです。
なのでパート1は物語がいいところで終わってしまうのが残念なのですが、当時の時代を色濃く映した本作は割と原作に忠実なので原作ファンも楽しめるのではないでしょうか。
90年代の雰囲気が楽しめればハマれるはず
バブルでイケイケだった90年代初頭の雰囲気が嫌いじゃなければ十分楽しめるはずです、先日の記事の「さらば愛しき人よ」も同じ雰囲気を醸し出していましたが、自分はこの時代の映画が結構好きです。
魑魅魍魎渦巻く政治の世界の描写は薄い
原作ファンとして残念だったところは政界の大物、伊佐岡幹事長の出番が少ないところです。
長い原作の話を一本の映画にまとめるためにエピソードを削らないといけないのは仕方のないことですが、ドロドロした政界の話もサンクチュアリの魅力なので映画版ではその魅力が半減しているように感じました。
それともリアルすぎて都合が悪いからでしょうか?
阿部寛をもっと見ていたい
政治描写が薄くなるため阿部寛の見せ場も少ないのが残念なんですよね。
阿部寛の浅見はかなりハマっていてこれ以上の配役はないんじゃないかと思います。
池上遼一の劇画タッチの絵からそのまま飛び出してきたような完成度です。
それぞれの役者陣もイメージにピッタリハマっていて、石原副所長役の中村あずさも良かったですね。
エリートでありながら女としてはまだ初な感じが絶妙でいいんですよね。
世良公則の渡海はイメージと違うのですが、渡海さんの破天荒で凶暴な感じがもう少し出てると良かったですね。
原作との違いは?
映画では4巻までのエピソードが描かれています。
なのでパート1では、打ち切りにあった少年漫画みたいな「俺たちの戦いはこれからだ!」みたいな決勝戦を残して終わるみたいな終わり方で、パート2があるとはいえ消化不良感が否めません。
ただ大まかなエピソードは原作に忠実で、違いというより実写化と尺のためにエピソードが省かれている感じです。
Vシネマ的な位置づけの映画だと思うのでヤクザの北条よりに話が進むのは仕方ないかもしれません。
サンクチュアリを全巻無料で見るには?
残念ながらサンクチュアリを全巻配信している漫画アプリは現在ないみたいです。
過去に小学館のアプリ「マンガワン」で全巻無料配信されたことがあるのですが、以降は配信されていないみたいです。
もしこの映画を見て漫画も読んでみたくなった場合、レンタルや中古という手がありますが在庫や取扱状況によるので、在庫を気にしなくてもよいAmazon Kindleで読むのがおすすめです。
下にリンク張りますので参考までにどうぞ
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