最近、岡田斗司夫のYouTubeチャンネルを見るのにハマっています。
アニメやSF、特撮について解説、考察するチャンネルで、そういう見方があるのかと新たな発見があったりするので見ていて楽しいです。
さすがアニメを作っていた人だけあって製作者側からの目線で解説が聞けるのはとても貴重です。
そんな岡田斗司夫さんが書いた「風立ちぬを語る~宮崎駿とスタジオジブリ、その軌跡と未来」が面白かったので紹介したいと思います。
岡田斗司夫さんとは
岡田 斗司夫(おかだ としお、1958年〈昭和33年〉7月1日 - )は、日本のプロデューサーで、評論家・文筆家・実業家・企画者・講演者でもある。本名も同じ。通称、オタキング。大阪府大阪市住吉区出身。
DAICONFILMで庵野さんと出会いガイナックス時代には王立宇宙軍 オネアミスの翼やトップをねらえの制作に関わっています。
今回この本を読んだのも、なんとなくKindl Unlimitedを見ていたらこの本がありました。
庵野監督が声優を努め、その映画の監督は師匠の宮崎駿で解説しているのがアニメのことも庵野監督のこともよく知る岡田斗司夫と言うことで、読むしかないと思い読みました。
「風立ちぬ」のあらすじ
大正かた昭和にかけて大震災そして戦争と激動の時代の日本が舞台。実在の人物で零戦を作った堀越二郎の半生を描いた作品。
製作者側から見た「風立ちぬ」
初めて「風立ちぬ」を観た時は何だかとても感動しました。
夢を追い続ける二郎に寄り添うように純情で健気な菜穂子の姿にとても胸を打たれました。試作機が無事に飛び突風が吹いた瞬間何かを悟る二郎の表情がとても印象的でした。
また、エンディングでは荒井由実の「ひこうき雲」が菜穂子のことを連想させいい意味でずるい選曲だと思いました。
二郎はまさしく宮崎駿自身を現したキャラクターで宮崎駿の集大成的な作品になったとも思いました。
しかしこの本を読んで改めて風立ちぬを見返すと違った視点で見えました。
二郎は「あなた生きて」と菜穂子に後押しされるのではく、それでもあなたは生きてもいいと菜穂子に赦しを与えられた物語であるということ。
それについては宮崎駿と息子、吾郎の関係について知らなければいけません。
詳しくは本を読んで頂けたらと思いますが、仕事一筋で家庭も顧みずアニメを作り続けた宮崎駿自信を赦す物語だったのです。
劇中で「ピラミッドのある世界とピラミッドのない世界どちらを選ぶ?」というような問いが出てきます。必ずピラミッドの頂点があるのはそれよりも大きな底辺があるからです。夢をかなえるためには必ず何かが犠牲になっているのです。
これから「風立ちぬ」を観る人へ
これから「風立ちぬ」を観る方はキャラクターの表情や演技に注目して見てみてください。
この本ではキャラクターの演技の凄さについて説明されています。
セリフではなくキャラクターの表情が丁寧に描かれこんなに表情豊かに人間を表現できたアニメはなかなか見れません。
二郎の眼鏡のレンズの描写や美味そうに吸うたばこなどほかにも見どころ満載です。
ちなみに劇中で登場する戦闘機や飛行機のエンジン音は人間の声で表現されています。
大きく空気を吸い込むエンジンの吸気音など、まるで生き物のようにも見えます。戦闘機のエンジン音は少し不気味にも聞こえたのは僕だけでしょうか?
見終わった後はこの本を読みもう一度見てみてください。
きっと一回目には気づかなかったことや新しい発見があると思います。
また、その他の宮崎駿作品にも触れていて特に「ルパン三世 カリオストロの城」も見返したくなること間違いなしです。