【映画】ヤクザと家族 レビュー 帰りを待ってくれる家族はいますか?
ヤクザと家族
今回は2021年公開の「ヤクザと家族」です。
監督は「新聞記者」の藤井道人監督で同作で日本アカデミー賞の優秀監督賞を受賞し今最も注目される映画監督です。
そして、主演は言わずと知れた日本映画界を代表する綾野剛、舘ひろし
変化していく時代の流れに取り残されるヤクザたちと、変わることのない家族という集団を描いた作品で
ヤクザ映画ということで敬遠していた方にも是非見てほしいです。
自身劇場では未視聴だったためNETFLIXで視聴しました。
こんな方におすすめ
・社会派映画が好きな方
・家族の絆について描いた作品を見た方
・ヤクザ映画が好きな方
ヤクザと家族のあらすじ
1999 年、父親を覚せい剤で失った山本賢治は、柴咲組組長・柴崎博の危機を救う。その日暮らしの生活を送り、自暴自棄になっていた山本に柴崎は手を差し伸べ、2人は父子の契りを結ぶ。2005 年、短気ながら一本気な性格の山本は、ヤクザの世界で男を上げ、さまざまな出会いと別れの中で、自分の「家族」「ファミリー」を守るためにある決断をする。2019年、14年の出所を終えた山本が直面したのは、暴対法の影響でかつての隆盛の影もなくなった柴咲組の姿だった。
ヤクザと家族のスタッフ・キャスト
監督:藤井 道人
脚本:藤井 道人
出演:綾野 剛
舘 ひろし
尾野 真千子
北村 有起哉
市原 隼人
磯村 勇斗
菅田 俊
ヤクザと家族 レビュー
ヤクザという共同体の家族と血縁で繋がった家族。本当の家族とは何かを考えさせられる映画でした。
暴対法により生きることさえ難しくなったヤクザたちの現状が切なく「半グレ」と呼ばれる犯罪組織が生まれる必然性がよくわかります。
また、親子盃血縁の儀式のシーンで流れる縦書きのスタッフクレジットが古き良きヤクザ映画の装いでこれは期待できるなと感じました。
作家で元山口組直系二次団体幹部の沖田臥竜さんが脚本、監修を努めているとのことで、リアリティがあり現実離れした話になっていないところもいいですね。
また、センチュリーやセブンスターなど小物類もいいですね。確かに山本はセブンスター吸ってそうです(笑)こういったところも細かくてキャラの肉付けがよくできてます。
何があっても帰れる場所が家族
家族とは法律上で定義することもできますが、
家族とは何があっても帰りを待ってくれる人たち、最後まで味方してくれる人たちのことだと思います。
肉親を亡くした社会になじめない不良が人として受け入れてくれるヤクザ組織は山本にとって最後まで家族として迎えられた場だったのが印象的でした。
反社は美化されるべきものではないですが、そういった境遇でヤクザにならざる負えなかった人たちが今、社会復帰しようとしても社会復帰しづらい現状というのがわかります。
3つの時代で変わるLOOK
1999年、2005年、2019年と3部構成で物語が進むのですが、年代に応じてルックが変わっていました。
1999年の不良時代はどこか懐かしいような黄色みがかったルックで、バリバリのヤクザ時代の2005年は怪しげで冷徹な緑色のルックで、最後2019年の現代は蛍光灯の明るさのように普段の日常のようなルックでした。
2時間という上映時間の中で主人公とともに時代の流れを体感できる作りでした。
鑑賞する際は、色身を気にしながら見るのも面白いですよ。
最後に
ラストシーンの翼のセリフは思わず涙してしまうほど名台詞でした。このセリフを聴くために2時間費やして観る価値のある映画だと思います。
家族とはいったい何なのか当たり前すぎてありがたみも感じにくいですが、一度自分にとって家族とは何なのか考えてみるのもいいですね。
「ヤクザと家族」のノベライズが出ています。
映画本編では描かれなかったエピソードも登場しファンは必読の一冊となっています。
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【映画】ステーキ・レボリューション 解説 おいしいステーキの選び方教えます!アンガス牛から和牛まで
ステーキ・レボリューション(原題:STEAK (R)EVOLUTION)
今回の映画は世界中の一流ステーキを堪能できる飯テロ映画の「ステーキ・レボリューション」です。
前回のスーパー・サイズミーから続いてグルメ映画です。
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本当においしいステーキを提供するために牛肉に情熱を燃やす正解中の人々を描いた作品。
見た後にステーキが食べたくなること間違いなしの一作!
こんな方におススメ
・本当においしいステーキを知りたいかた
・世界旅行に興味のある方
・料理人を目指している方
ステーキレボリューションのあらすじ
旨い牛肉はどうやって作られるのか――その謎に迫るため、監督のフランク・リビエラはパリでいちばんの精肉店の店主イヴ=マリ・ル=ブルドネックと共に、2年間の「世界最高のステーキを見つける旅」に出た。20カ国、200を超える有名・無名のステーキハウスを食べ歩いた結果、そこに見えてきたものは……?。アメリカではかつては証券マンや作家になるようなエリート達があえて肉牛農家となるアントレプレナー・レボリューションが起こっていたり、スウェーデンでは、MBAを持つ物理博士が「和牛」を肉牛として飼育し、とてつもない高額売買を叩き出す和牛レボリューションを起こしていたり、仏コルシカ島では肉牛飼育の原点回帰と向き合う孤高の大富豪が全財産と全人生を肉の地産地消に捧げていたり…。肉のプロも驚きの、世界のお肉革命、絶賛進行中!肉の常識がひっくりかえる!ビッグ・ブーム到来、世界のお肉事情をすべて見せます!
ステーキレボリューションのスタッフ
プロデューサー・監督:フランク・リビエラ
プロデューサー・編集:ヴェラーヌ・フレディアニ
ステーキレボリューション レビュー・解説
本当においしいステーキは畜産の段階まで遡る必要がある。
畜産農家、精肉店、レストランと世界中の美しい風景と街並みとともに紹介し、世界旅行気分も味わえるステーキだけに素敵な映画でした。
牛の種類や育て方、どのような部位、脂の乗り方とステーキを食べるときに知っておきたい知識が詰まっています。
海外でもステーキといえば特別な日に食べるという印象だそうで、特別な日に特別な一皿を提供したい職人たちの情熱がとても熱く、その背景を知って食すのかどうかは大きな違いで間違いなく知っていたほうが何倍も人生が豊かになること間違いないです。
ぜひステーキや焼き肉を食べに行く前に見ておきたい一作でした。
世界一の牛肉はホセゴードンのルビア・ガジェーガ牛
映画の中でおいしいステーキ店がランキング形式で紹介され、1位はスペインのホセ・ゴードン氏のレストランでした。
取り扱う牛はルビア・ガジェーガという経産牛で14年という育成期間を要した牛で、日本では輸入できないそうです。
(月齢30ヶ月以下の牛肉しか輸入できないそうです。)
人生で一度は食べてみたいですね。
日本もランクインしています「築地さとう」
映画の中でおいしいステーキ店がランキング形式で紹介され、第三位には日本の築地さとうが紹介されていました。
お店の紹介から調理までめちゃくちゃクールにうつされていました。
そこで紹介されていたのは松坂牛でした。
口の中で溶けるという感想はフランス人も一緒でした。
赤身肉を好む海外ですが、油の乗った霜降り肉の旨味も評価していました。
さとうオリジナルブランド いにしえの牛肉
日本最高峰の但馬(たじま)の血統の仔牛を契約農家さんが長期肥育(36ヶ月以上)した牛肉とのことです。
監督にホリエモンが本当の和牛を教える
かなり牧草で育てた牛が良いと映画内では描かれており、松阪牛の取材シーンでも穀物での飼育は良くないと評価していました
が、ホリエモンこと堀江貴文氏に言わせればそれはグラスフェッド信仰で必ずそれがいい肉の条件とは限らないそうです。
フランスで行ったWAGYUMAFIAのイベントにフランク監督を招待したそうで、監督にちゃんとした和牛を食べさせたそうです。
よだれが出てしまうような飯テロ映画、残酷なと畜描写などはなくどなたでも安心してみることができますので、食の見聞を広げるためにもご視聴お勧めします。
プライムビデオで無料配信しているので下のリンクからどうぞ
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映画「スーパーサイズミー2:ホーリーチキン」レビュー 知っていて損はない健康ハロー効果
スーパーサイズ・ミー:ホーリーチキン(原題:Super Size Me 2: Holy Chicken)
今回はスーパーサイズ・ミー:ホーリーチキンです。
スーパーサイズミーの続編ということで、アマゾンプライムビデオで視聴しました。
アメリカのお話ですが、我々日本人も他人事とは言えない話でした。
こんな方におススメ
・ファーストフードをやめたいけどやめられない方
・アメリカのファーストフード事情を知りたい方
・前作を見ている方
スーパーサイズミー2のあらすじ
30日間ファーストフードだけを食べ続ける実験を収めたドキュメンタリー映画「スーパーサイズ・ミー」(2004年)の続編。
今回は、モーガン・スパーロック自らファーストフード店を開きファストフード業界とビッグチキンの実態に迫る。
スーパーサイズミー2のスタッフ・キャスト
監督:モーガン・スパーロック
出演:モーガン・スパーロック
スーパーサイズミー レビュー
前作は、そんなにファーストフードばかり食べていたら体に悪いに決まってると分かりきっているから、体を張った実験のわりに「そうなるだろうね」とそこまで衝撃でもなかったのですが、今作は前作から13年後ファーストフード業界がどう変わったのかを調査しさらに自らファーストフード店を立ち上げるということで、前作より面白いです。
・ 日常生活にあふれる健康ハーロー効果
緑色のパッケージは自然やオーガニックを連想させヘルシーなのもに感じます。さらに、農薬を使わずに有機栽培をしましたと言われれば、少し他より高くても買ってしまいそうです。
こういった現象をハロー効果といいます。
ハロー効果(ハローこうか、英語: halo effect)とは社会心理学の用語で、ある対象を評価する時に、それが持つ顕著な特徴に引きずられて他の特徴についての評価が歪められる(認知バイアス)現象のこと。
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%83%AD%E3%83%BC%E5%8A%B9%E6%9E%9C
前作のスーパーサイズ・ミーからファーストフード業界は変化しました。
映画の影響があったということでしょう。
ですが、実態は10年前と何も変わっていなかったのです。
では何が変わったのかというと、
いかにもな赤と黄色のデザインの店舗からページュと緑のナチュラルなデザインの店舗に変わり、店内には広大な農場の写真や野菜の写真、健康そうな単語が書かれた壁紙
メニューも「フライド」チキンではなく「クリスピー」チキンにかわり梱包も紙の箱に変わりました。
健康的な食を目指しているように見えますが、全てハロー効果を狙ったもので、実際に提供される商品は何も変わっていません。
このからくりは是非本編を見て知ってほしいのですが、
日本のマ○クも数年前から新店舗やリニューアルした店舗はアメリカの店舗同様、映画内で出てくるデザインに変わっていますよね。
近所のマ○クもそんな感じです、健康志向の昨今企業も変わるんだなあとしか思っていなかったのですが、日本に住む我々も食品表示などよく調べて理解した上で購入しなければなと感じました。
・ビックチキン 養鶏業の闇
ファーストフードに欠かせないチキン(鶏)の生産はとても重要ですが、その生産仕組みもかなり闇深いものとなっています。
各養鶏場は出荷ごとにランク付けされそのランクの順位で売り上げが決まります。
しかも、そのランクは親会社がいくらでも操作可能なもので1位から次の週には最下位なんてこともあるそうです。
養鶏業者は機械の導入などで借金を背負わされ、「生かさぬよう、殺さぬよう」状態でギリギリの経営を強いられています。
映画内でモーガンに協力した養鶏家が雛の供給を止められてしまうほどで、業界の闇がうかがえます。
その後一家がどうなったのか気になるところです。
最後に ~知らないは罪~
ドキュメンタリーとしてとても面白く、内容は深刻なテーマなのですがところどころトゥーン調の鶏のアニメーションがPOPで楽しく社会科見学できる映画でした。
こういった食品業界の闇は日本でもあり得ることだと思います。
社会を知る意味でご視聴お勧めします。
前作のスーパーサイズミーもあわせてどうぞ
農業から食品まで食に対する様々な問題を追った映画です。
「ファーストフードが世界を食い尽くす」の著者エリック・シュローサーがプロデュース
日本でも食品添加物は深刻な問題です