はじめに
挽歌[ばんか]
意味:中国で葬送の時、柩を挽く者が歌った歌。転じて、悲しみを歌った詩・歌・楽曲のこと。
同義語:鎮魂歌、エレジー
「男たちの挽歌」・・・
タイトルからしてカッコよすぎますよね。
哀愁を感じずにはいられないですよね。
2022年4月22日から日本公開35周年を記念して4Kリマスター版が劇場公開されるということで、自分の地元の映画館での上映予定はないようなので自宅で観ることにしました。
「男たちの挽歌」
1986年製作/96分/R15+/香港
原題:英雄本色 A Better Tomorrow
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あらすじ
香港マフィアの幹部であるホーと相棒マークは、強い絆で結ばれていた。ホーの弟キットは兄の仕事を知らないまま警察官となり、ホーは弟のため足を洗うことを決意する。そんな矢先、取引のため台湾へ渡ったホーは相手組織の裏切りにあい、逮捕されてしまう。マークはたったひとりで敵組織に乗り込み復讐を果たすが、自らも足に大怪我を負う。3年後、刑期を終えて出所したホーは、キットから絶縁を言い渡される。堅気として生きることを固く胸に誓うホーだったが、いつしか戦いへと巻き込まれていく。
スタッフ・キャスト
監督:ジョン・ウー
脚本:ジョン・ウー
製作総指揮:ツイ・ハーク
出演:チョウ・ユンファ
「男たちの挽歌」解説・考察
記事初めにあるポスターのチョウ・ユンファの印象が大きい本作ですが、主人公はティ・ロン演じる”ホー”なんですよね。
様々な兄弟の形
ホーという兄を中心に物語が進むのですが、そこではヤクザとしての兄貴、家族としての兄と二つの兄弟が描かれます。
ヤクザ映画の兄弟の描かれ方は血のつながりを超えた友情とも違う関係がやはり格好いいのですよね。
また、実弟のキットに対するホーの感情はマークに対するものとはまったくの別のものでどれだけ仲違いしても血のつながりは消えないことを教えてくれます。
ストーリーの元ネタは監督自身の経験
『ソルジャー・ドッグス』の暴力描写が問題となったり、香港映画界で無茶をしすぎたためジョン・ウーとティ・ロンが台湾に追われることになり、不遇の生活を送っていたところ、本作の製作総指揮でもあるツイ・ハークが「もう一度、香港で映画を作ろう」と台湾に出向いて香港映画界に復活させたことが本作の制作のきっかけとなったそうです。
巨大な権力に対するリベンジマッチですよね。
そういった製作者側の熱い思いがそのまんま映画に映されているから、現在でも色褪せないのでしょうね。
登場する銃はどんな銃?
何といっても激しい銃撃戦が見どころの本作。様々な銃が登場します。
チョウ・ユンファ演じるマークの2丁拳銃が男子ならだれでも格好いいと感じるのではないでしょうか?
そんなマークが扱う拳銃はベレッタ92FとFN ブローニング・ハイパワーMk.Ⅱです。
どちらも多くの作品に登場する銃ですね。
また、波止場でも銃撃戦ではサブマシンガンのIMI Mini UZIやH&K MP5とゲームでもおなじみの銃が登場します。銃好きにもたまらない作品です。
ちなみに、アニメ ブラックラグーンの張のモデルはチョウ・ユンファだと思うのですがどうでしょう?扱う銃も同じベレッタですしね。
ホーはその後どうなったのか?
あれだけの銃撃戦を繰り広げた後自首したホーですがその後はどうなってしまったのでしょうか?
ホーのその後は次作「男たちの挽歌2」で描かれているのですが、服役中のホーに偽札組織を摘発するために協力を要請され出所します。
日本ならあれだけのことを犯せば死刑は免れないでしょうが、調べると香港は死刑制度がないそうです。
1966年以降死刑執行は行われておらず1993年に正式に死刑制度が廃止されたそうです。
とはいえ、自首するホーの覚悟は凄いですね。
最後に、本作の好きなセリフで締めます。
シンとの取引を前に「神を信じるか?」とホーの問いかけに対してマークが言った一言
「ああ、俺が神だ。神は人間さ。運命を自分で決める奴はな…」
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