今回紹介する映画はトム・クルーズ・ジェイミー・フォックスW主演の映画「コラテラル」です。
この記事では、コラテラルの意味、最後の決闘シーンから映画の小ネタまで解説・考察していきます。
映画「コラテラル」
2004年製作/120分/R15+/アメリカ
原題:Collateral 配給:UIP
あらすじ
ロサンゼルスの平凡なタクシー運転手マックスは、ある晩、検事の女性アニーを客として乗せ、車内での会話を通して互いに好感を抱く。次に拾ったビジネスマン風の客ヴィンセントは、仕事のため一晩で5カ所を回らなければならないと話し、マックスを専属ドライバーとして雇いたいと依頼。高額の報酬にひかれて引き受けるマックスだったが、実はヴィンセントの正体はプロの殺し屋で、麻薬組織から5人を殺害する任務を請け負っていた。
スタッフ・キャスト
監督:マイケル・マン
脚本:スチュアート・ビーティー
製作:マイケル・マン
ジュリー・リチャードソン
出演:トム・クルーズ
映画「コラテラル」解説・考察
「コラテラル」は「ヒート」、「マイアミ・バイス」などで知られるマイケル・マン監督によって撮られました。銃撃戦などクライムアクションを得意とする監督でこの「コラテラル」でも夜のロサンゼルスで繰り広げられる銃撃戦は見どころの一つです。
主演は「トップガン マーヴェリック」が好調なトム・クルーズと「ジャンゴ繋がれざる者」「ベイビードライバー」のジェイミー・フォックスのW主演となっています。
白髪のトム・クルーズがプロの殺し屋役を演じたことでも当時話題となりました。
このトムがなかなかのイケオジでカッコいいのです。
タイトル「コラテラル」の意味とは
collateral(コラテラル)を辞書で引くと、
「担保」となりますが、「巻き添え」という意味もあります。
この映画で言うと「巻き添え」があっているでしょう。
殺しのロサンゼルス一周ツアーに巻き添えになる哀れなタクシードライバーのお話なのですが、ロサンゼルスの土地感がないトム・クルーズが確実に仕事を終えるために土地勘のあるジェイミー・フォックスを担保にしたとも言えますね。
GTAのようなゲーム的なつくりの映画
映画を観ていてとてもオープンワールドのゲームみたいだなと感じました。
コラテラルは2004年公開ということでこの年に発売されたゲームといえば「グランド・セフト・オート・サンアンドレアス」(以下GTASA)です。
GTAシリーズをプレイしたことがある人なら共感できると思いますが、映画冒頭のタクシー運転手の日常を描いた昼間のシーンは、次々と場面が変わるごとにBGMもガラッと変化しており、時間経過を表現するとともにGTAのカーラジオのようにも感じます。
LAの街並みを俯瞰で映すシーンもいかにもGTA的です。
理にかなったガンアクション
マックスが2人の物取りに襲われ命を狙われるシーンがありますが、戻ってきたヴィンセントが素早く制圧します。
この時、まず1人に2発を相手胸に発砲し動きを封じ、次にもう一人に胸に2発とヘッドショットで止めをさし、最後、初めに撃った男にもヘッドショットで止めをさします。
一気に2人の男を制圧する華麗な銃さばきは無駄がなくかっこいいでのす。
この辺はやはりマイケル・マン監督の見どころですよね。
ヴィンセントは本当に非道なのか
トム・クルーズ演じる殺し屋ヴィンセントは依頼者の要求を淡々とこなすプロフェッショナルで、行動には迷いがありません。
それに比べフォックス演じるマックスはいい年して「俺には夢があるんだ・・・」と言い続けて10年以上タクシードライバーを続けています。「事業を起こすには金がかかるから今は準備期間」など「ダイエットは明日から」的状態から一歩を踏み出すことができずにいます。
そんなマックスは物語が進むにつれて不条理な殺しそして自分自身への苛立ちから覚醒します。
それもこれもヴィンセントの影響がなければ生まれ変わることはできなかったでしょう。
ヴィンセントは2度マックスの命を救っています。依頼以外の殺しはしない主義なのかもしれません。マックスの母親の見舞いで花を贈ったり、ジャズバーに誘ったりと友人のように接する場面もあります。ヒロインのアニーについてもヴィンセントはマックスに「人生は短い。明日の朝生きていたら電話しろ。」とお節介なことも言っていたりします。
地下鉄での戦いになぜマックスは勝てたのか?
ヴィンセントはマックス自身なのではないでしょうか。
マックスの内面には気弱な自分とヴィンセントのような人格がいて、ヴィンセントの戦闘本能が自分自身の人生を歩み始めるトリガーになっているのです。
映画クライマックス、地下のシーンで真正面からの撃ち合でマックスがヴィンセントに勝ったのはそういうことだからではないでしょうか?
また地下鉄で降りる下りないのシーンはこの人生に降りるか下りないかのメタファーのようにも感じます。
豆知識 道を横切るコヨーテとカメラ
映画終盤の道を横切るコヨーテが印象的でした。
このコヨーテはたまたま近くを横切っただけで、準備していたわけではないそうです。
舞台となるロサンゼルスには野生の野良コヨーテが住み着いてるらしく意外と日常的な光景なのだそう。
しかし、この偶然をしっかりカメラに収めれたのは、フィルムカメラではなく「Viper FilmStream」というデジタルムービーカメラで撮影していたからで、夜でも照明を使わずに綺麗に撮影できたのです。
夜のロサンゼルスを美しく撮影している本作は夜景も見どころの一つです。
マイケル・マン作品で見逃せない1本
マイケル・マン監督、ジェイミーフォックス主演作品
記事内で紹介した作品
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