今回は映画「Mr.ノーバディ」です。
「ナメてた相手が実は殺人マシーンでした」モノに分類される本作はキアヌ・リーヴスの「ジョン・ウィック」やデンゼル・ワシントンの「イコライザー」と一緒と思って観るとちょっと危険な作品でした。
以下レビューと考察です。
映画「Mr.ノーバディ」
2020年製作/92分/PG12/アメリカ
原題:Nobody
配給:東宝東和
あらすじ
郊外にある自宅と職場の金型工場を路線バスで往復するだけの単調な毎日を送っているハッチは、地味な見た目で目立った特徴もなく、仕事は過小評価され、家庭では妻に距離を置かれて息子から尊敬されることもない。世間から見ればどこにでもいる、ごく普通の男だった。そんなハッチの家にある日、強盗が押し入る。暴力を恐れたハッチは反撃することもできず、そのことで家族からさらに失望されてしまう。あまりの理不尽さに怒りが沸々とわいていくハッチは、路線バスで出会ったチンピラたちの挑発が引き金となり、ついに堪忍袋の緒が切れる。
スタッフ・キャスト
監督:イリヤ・ナイシュラー
脚本:デレク・コルスタッド
製作:ケリー・マコーミック
デビッド・リーチ
ブレイデン・アフターグッド
マーク・プロビッシエロ
出演:ボブ・オデンカーク
RZA
アレクセイ・セレブリャコフ
主人公ハッチの父役は映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のドク役のクリストファー・ロイドです。
映画「Mr.ノーバディ」レビュー・解説・考察(ネタバレ少々)
「ナメてた相手が実は殺人マシーンでした」モノのジャンルを確立したといってもいい映画「ジョン・ウィック」シリーズの脚本デレク・コルスタッドと製作デビッド・リーチが関わった本作は、大したことないヤツ(ノーバディ)が大暴れするのですが、作品の方向性は「ジョン・ウィック」とはまったく異なるものとなっていました。
共感しすぎるのは禁物
映画冒頭、大したことない男ボブ・オデンカーク演じるハッチの平凡な1週間が映されます。毎日同じ時間に同じ路線バスで出社する。朝のゴミ捨てを寸前で逃してしまい妻には小言を言われる冴えない日々。
「これは俺の物語なのか!?」といわんばかりの共感に引き込まれます。
このストレスがどうやって爆発し発散されるのか期待が膨らむこのオープニングは最高でした。
強盗が自宅に押し入り反撃もせず少額の現金を渡し逃がすのですが、娘が猫のブレスレットがないと言い出します。きっと泥棒が現金と一緒に取っていったのだろうと思ったハッチは家族との信頼を取り戻すためにも泥棒を追うのですが、
実は自分の中にある暴力性を発揮したい欲求に駆られているのでした。
大義のない暴力から始まった騒動なのですが、牙をぬかれた狼が再び銃を握る男をどうしても応援したくなってしまうのは人間の性なのでしょうか?
ジョン・ウィックのような作品ですが、ジョン・ウィックのように大切なものを奪われた訳ではないことが大きな違いです。
それでもアクションは最高!
なんだかんだ言ってもアクションは最高のものとなっています。
特に、ラストの工場での最終決戦は超凶悪な「ホームアローン」のようでとても爽快です。
ライフルで3人抜きのショットなんか不謹慎ですが爽快ですし、メタルギア好きならお馴染みのクレイモア地雷を使ったアクションは斬新でよかったですね。
あれはクレイモアが指向性だからこそできる攻撃でなるほどなと感心してしまいました。
フォードマスタングに乗ってのカーチェイスシーンもスリリングですし、クリストファー・ロイドの大暴れも見ものです。
ハッチのタトゥーの意味は?
泥棒捜索時に立ち寄ったタトゥーショップで退役軍人の男がハッチの手首に彫られたタトゥーを見て逃げ出します。
ハッチ手首のタトゥーはトランプのスペードの7とダイヤの2でした。
この意味はポーカーのテキサスホールデムで最弱の手札で、ストレートを作ることができないからです。
これが相手に向いているということは、「このカードを引いたお前は負けだ」と言っているようなものなのです。
なかなか無慈悲なメッセージですよね。
ハッチは何者なのか?
家族内では元軍人と語られていますが、ロシアンマフィアの黒人には「3文字の政府機関で会計士をしていた」と語ります。おそらくCIAと思われます。
「逮捕ができないから全員始末する」とまで言っていました。政府のデーターベースからもその名を抹消された男は存在しない男として政府のために殺しをしていたと思われます。
エンドロール途中でおまけシーンがあるので終わってもすぐ停止しちゃだめですよ。
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