映画「帰ってきたヒトラー」 レビュー 政治に関心はありますか?
「はじめに
2021年10月31日に第49回衆議院議員総選挙が行われます。
衆議院は国家予算の審議や新たな法律を作るなどし、この選挙は日本の将来を左右する重要な選挙です。
昨今、自分も含めた若い世代の投票率が減少しているといいます。
今回紹介する映画は自分の国に対して関心を持ち今回の衆議院選挙も興味が出てきそうなそんな映画です。
帰ってきたヒトラー(2015年ドイツ)
あらすじ
服装も顔もヒトラーにそっくりの男がリストラされたテレビマンによって見出され、テレビに出演させられるハメになった。男は戸惑いながらも、カメラの前で堂々と過激な演説を繰り出し、視聴者はその演説に度肝を抜かれる。かつてのヒトラーを模した完成度の高い芸として人々に認知された男は、モノマネ芸人として人気を博していくが、男の正体は1945年から21世紀にタイムスリップしたヒトラー本人だった。
スタッフ・キャスト
監督:デビッド・ベンド
原作:ティムール・ベルメシュ
出演:オリヴァー・マスッチ
ファビアン・ブッシュ
カッチャ・リーマン
クリストフ・マリア・ヘルプスト
フランツィスカ・ウルフ
帰ってきたヒトラー レビュー
誤解を招く恐れがあるのであらかじめ説明しますと、私は極右でもネトウヨでもありませんし、この映画は極右やナチスを称賛する映画でもありません。
45年から現代にタイムスリップしたヒトラーが、クビになったテレビマンとドイツ各地を回りドイツの政治について取材していきます。
そこで出てくる国民の言葉は「政治不信」でした。
やけにリアルなドキュメンタリー調のインタービューシーンでその「政治不信」の声は日本に住む私たちも共感できるところがあります。
この映画の凄いところは映画が進むうちに、ヒトラーに共感してしまうというところです。
クリーニング屋でのシーンや人々の声に真剣に耳を傾ける姿など彼をどこか憎めないいい人のように見えてきます。
ですが徐々に独裁者としてのヒトラーが見えてきます。
国民の不安が最高潮に達したときにナチスのような党が力を持つのだろうと感じます。
政治はバランス感覚が重要なのだということに気づかされる作品です。
映画冒頭、ドイツの各政党をヒトラーが批判するシーンがあります。
民主主義である以上政治家は選挙でえらばれます。よき政治家を選べるように私たちは普段から政治に関心を持ち正しいリーダーを選べるようしたいですね。
映画ラストのヒトラーの言葉はとても胸に刺さるセリフでした。
是非映画本編でご覧ください。
原作本はこちら↓
以前紹介したこちらの作品もコメディー調で強いメッセージを伝える作品でした。
CUBE 一度入ったら、最後 レビュー 本家公認リメイク
はじめに
ついに10月22日、日本版「CUBE」公開されました。
ネタバレや評価を見ずに観たかったので初日に観てまいりました。
原作のビンチェンゾ・ナタリ監督もアドバイザーとして参加されているということで、原作は超えられたのでしょうか?
CUBE 一度入ったら、最後
あらすじ
突然、謎の立方体=CUBEに閉じ込められた男女6人。エンジニア、団体職員、フリーター、中学生、整備士、会社役員と、年代も職業もバラバラな彼らには何の接点もつながりもない。理由もわからないまま、ひたすら脱出を試みる彼らに、熱感知式レーザー、ワイヤースライサー、火炎噴射といった殺人的なトラップが次々と襲う。脱出するためには仕掛けられた暗号を解読しなくてはならないという極限状態の中、それぞれの人間の本性が徐々にあらわになっていく。
スタッフ・キャスト
監督:清水康彦
原案:ビンチェンゾ・ナタリ
脚本:徳尾浩司
出演:菅田将暉
杏
田代輝
山時聡真
CUBE 一度入ったら、最後 レビュー
観終わった直後の感想を言いますと、「面白かった」というのが率直な感想です。
ただ原作のようなスプラッター描写に期待はしてはいけません。
これだけの一流俳優陣だとグチャクチャになるみたいことは無かったですね。
ストーリーはほぼ原作通り進んでいくのですが、原作のオチを知ってしまっているのでどのようにリメイク版はオチをつけるのかという部分に注目して観ていたのですが、
リメイク版として良い終わり方だったんじゃないかなと個人的には思います。
今回それぞれトラウマや何かしら闇を抱えた登場人物たちが登場するのですが、なんで菅田演じる後藤が数学に長けているのかという説明があってもよかったのかなと思います。まぁ公式HPで人物紹介はされているので知ってはいましたが本当に初見だと疑問に思うかもですね。
パンフレットの人物紹介の部分に登場人物それぞれのツイッターアカウントが記載されていて、登場人物がそれぞれツイートしていたには全然気づきませんでした。去年の10月からツイートしていて、これって前から公式で発表されていたんですかね?
映画の世界観が地続きで実際の世界に通じているような気がしてゾッとしますね。
このそれぞれのツイートは22日をもって投稿されなくなるんでしょうね。
キューブに入れられてしまうから・・・
まだ公開初日なので詳しいネタバレはしたくないのでここまでにします。
賛否両論でる映画であることは間違いありませんが、個人的には108分という尺もちょうどよく楽しめた作品でした。
ただ、原作のような残酷描写は期待してはいけません。
パンフレットは買ったほうがいい?
パンフレットは850円となっています。
映画をみて面白いと思ったなら買って損はない充実の内容です。
俳優陣、監督さらにビンチェンゾ・ナタリのインタビューも掲載され
各用語の解説も詳しくなされています。
部屋のデザインにもちゃんと意味があるので気になる方は「フラクタル」を言う言葉を理解してから鑑賞するといいかもしれません。
記事を書いていて思ったのですが、108分という尺も煩悩の数みたいでこれも意図したことなのでしょうか?登場人物のツイッターといい小ネタがたくさんありそうです。
will-oishiiseikatsu.hatenablog.com
映画「ペーパー・ムーン」解説・考察 二人は本当の親子なのか?
はじめに
今回ご紹介する映画はモノクロ映画の「ペーパー・ムーン」です。
詐欺師の男と少女のロードムービでとても温かい気持ちになれる作品です。
肌寒くなってきた近頃、「ペーパー・ムーン」を観てホッコリしませんか?
ペーパー・ムーン(1973年アメリカ)
あらすじ
1930年代のアメリカ中西部。聖書を売りつけて小金を稼いでいる詐欺師モーゼは、交通事故で亡くなった知人女性の娘アディを、遠く離れた親戚の家まで送り届けるよう依頼される。嫌々ながらも引き受けるモーゼだったが、大人顔負けに賢いアディはいつしか彼の詐欺の片棒を担ぐようになり、2人は父娘のような絆で結ばれていく。
スタッフ・キャスト
監督:ピーター・ボグダノヴィッチ
脚本:アルヴィン・サージェント
原作:ジョー・デヴィッド・ブラウン
出演:ライアン・オニール
テータム・オニール
マデリーン・カーン
ジョン・ヒラーマン
ペーパー・ムーン レビュー
この記事を書く上で知ったのですが、詐欺師役のライアン・オニールとテータム・オニールは実際の親子ということで、作中では親子のような関係が実際は親子であるというのはとても面白いですね。
ちなみに、テータム・オニールは史上最年少でアカデミー賞助演女優賞を受賞し1974年以降その最年少記録は破られてないそうです。
この映画の見どころは「テータム・オニール」の演技ではないでしょうか
お父さん譲りの演技派で実際の親子ならではの息の合った掛け合いも見ものです。
アディーは詐欺師のモーゼのことを父親なのではないかと問いかけるのですが、映画ラスト、血が繋がっていようがいまいが”親子”の関係になれたというハッピーエンドがとても清々しく、最近見ていた映画はSFやホラーやスリラーだったのでこういった温かい作品もいいなあと思いました。
1974年の公開映画といえば「ゴッドファーザーpartⅡ」や「007黄金銃を持つ男」などカラー作品がほとんどでしたがこの映画はモノクロで撮影されています。
監督曰く「白黒の方が映画として表現力が増して見えるからだ」ということで、モノクロ映画というと古臭いとか観にくい(古いから画質が荒い)など敬遠する方もいるかもしれませんが、”観ず嫌い”せずぜひ見てほしい作品です。
予備知識 ペーパームーンとは?
直訳で「紙でできた月」ということで、上のポスターのような月に家族や恋人と座って記念写真を撮るというもので、1900年ごろのアメリカではとても人気があったそうです。
映画内でもカーニバルの出店にこのペーパームーンがありました。
作品内ではアディーが一人で記念写真を撮るのですが、この写真が映画終盤に大事なアイテムとなります。
これは涙不可避な展開でぜひ映画内で感動を味わってほしいです。
私は、「ペーパー・ムーン」をU-NEXTで視聴しました。
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テイタム・オニールのほか作品。こちらも有名ですね。