おすすめ映画「ダンガル きっと、つよくなる」考察 なぜインド映画は面白いのか?

はじめに

少し前に冬季オリンピックも終わりましたが、アスリートたちの活躍はとても感動的でした。

個人的に夏季オリンピックより冬季オリンピックの方がいいなと思うのはおそらく個人競技が多いからだと思っています。

団体競技によるチームプレーでいいのですが、一人っきりで戦うという非常にプレッシャーを感じる状況で最高のパフォーマンスを発揮する選手たちを観て、

今までどんだけ鍛錬を重ねたのだろうかとか、

表彰台常連選手であれば、どうすれば毎回勝ち続ける事への人々の期待に答え続けられるのだろうとか考えてしまうのです。

もちろん、団体競技の選手も同じように一般人には考えられないぐらいの厳しい練習やプレッシャーの中で戦っていることは間違いないのですが、個人競技の選手はどこか「孤高の存在」として輝いて見えるのです。喜びも悲しみを誰よりも受け止めている人物として。

特にスピードスケートの小平奈緒さんにはそれを感じます。

 

そして、今回紹介する映画は

実際のインドの女子レスリング姉妹の伝記映画になります。

主演は「きっと、うまくいく」アーミル・カーンでございます。

 

男性中心のレスリング業界で国を代表するオリンピック選手まで上り詰めた感動の実話でございます。

 

 

 

映画「ダンガル きっと、つよくなる

ダンガル

 

 


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あらすじ

レスリングを愛する男。生活のため選手の道を諦めた彼は、いつか自分の息子を金メダリストにすることを夢見ながら道場で若手の指導に励む日々を送っていた。しかし生まれたのは4人連続で女の子。意気消沈した男は道場からも遠ざかってしまうが、ある日ケンカで男の子を打ち負かした長女と次女の格闘センスに希望を見出し、コーチとして2人を鍛えはじめる。町中の笑いものになっても意に介さず突き進もうとする父と、そんな父にささやかな抵抗を続ける娘たちだったが……。

ダンガル きっと、つよくなる : 作品情報 - 映画.com

  

スタッフ・キャスト

監督:ニテーシュ・ティワーリー

脚本:ニテーシュ・ティワーリー

製作:アーミル・カーン

1999年にアーミル・カーン自信が設立した「アーミル・カーン・プロダクション」が製作しています。俳優業以外に映画製作会社も行っているとは知りませんでした。

インド映画界において重要な人物であるとこがこれからもわかりますね。

 

出演:アーミル・カーン

   ファーティマー・サナー・シャイク

   サニヤー・マルホートラ

  

 

ダンガル きっと、つよくなる」レビュー なぜインド映画は面白いのか考察

「きっと、うまくいく」という映画を観てインド映画に興味を持ったというか、アーミル・カーンという俳優にとても興味を持ちこの作品に出会いました。

「きっと、うまくいく」の時に44歳で大学生役を演じるという年齢不詳の人物ですが今回の映画のために体重90kg体脂肪率38%から体重70kg体脂肪率9%という肉体改造を経て撮影に挑んだとのことで、ものすごい俳優魂を感じます。


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「きっと、つよくなる」というサブタイトルを観ただけでは「きっと、うまくいく」のヒットにあやかった作品でタイトル負けしているんじゃないのと半信半疑ながら観始めたのですが、そんな不安はすぐに消え2時間40分という長尺を飽きることなく観ることができました。

 

長女のギータと次女のバビータが嫌々ながらも父の厳しい練習に付き合うのですが、

それがまた健気でかわいいのです。年頃になり悪知恵が付けばいかに練習をサボるか策を尽くしてみたりと、こういうのはみなさんも幼少期にも経験したことがあるのではないでしょうか?

そこで早速タイトルのインド映画はなぜ面白いのかの考察なのですが、

 

ズバリ、インド映画はすべての要素が詰まった映画界の幕の内弁当だからです!

 

この映画いろいろな要素が詰まっています。

ただのスポコンモノではなく、ポリコレ要素や親子関係、貧乏や苦悩、権力への抵抗など様々なテーマがちりばめられています。

そして、その要素の多くが観客の共感性に響きこの長尺を夢中で観てしまうのです。

 

なぜこんな作りになっているのかは以前投稿したこちらの記事で解説しております↓

 

will-oishiiseikatsu.hatenablog.com

 

 

男女平等という考え方をもう一度考えされられる作品

昨今、男女平等が叫ばれデリケートな問題でもあるのですが

真の平等なら性別も体格差も関係なく戦うのが本当なのではないでしょうか?

そんな過激なメッセージを映画前半に感じました。

 

女の子なのに坊主にさせたりと、昔と比較しても厳しいと思うのですが、

それが、自発的にしたいからやっているに変われば大した問題じゃないことに気づかされます。

もっと気軽に性別関係なく誰でもやりたいことがやれる世の中になっていけたらいいなと思いますし、少なくとも現在の日本では実現できていることも多いのではないかと思います。

 

ただのパロディ映画かと思わせるタイトルの映画ですが、深く考えさせられる社会的な実話物語でした。

 

ちなみに、

次女のバビータは2014年に吉田沙保里選手と対戦したことがあるそうです。

吉田沙保里さん自身も父のスパルタ教育を受けていたことで知られていますが、吉田さん自身この映画を観てすごく共感したそうです。

同じ時期に同じような境遇の選手が存在していたというのもまた面白いですね。

 

 

アーミル・カーンを一躍有名にした作品未見の方はあわせてどうぞ

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文化や宗教を超えた意欲的な作品です。