まず初めにこんなニュース知っていますか?
食糧危機という言葉が2022年から囁かれはじめ、世界的な肥料不足による食糧生産力の低下で今後店頭に並ぶ食品はどんどん値上げされ、一部食品では手に入りにくい状況になるかもしれません。
そんな中、今回紹介する映画は1973年に公開されたSF映画。
舞台は2022年。食糧危機により政府から合成食品ソイレント・グリーンが配給される世界。
ソイレント・グリーン
1973年製作/アメリカ
原題:Soylent Green
配給:MGM映画
あらすじ
2022年、爆発的な人口増加と環境汚染に見舞われたニューヨーク。合成食品ソイレント・グリーンの製造会社社長が殺された事件を捜査する警官は、背後に食糧危機打開のための政府の陰謀がある事を知る……。
スタッフ・キャスト
監督:リチャード・フライシャー
脚色:スタンリー・R・グリーンバーグ
原作:ハリー・ハリソン
出演:チャールトン・ヘストン
リー・テイラー=ヤング
ブロック・ピーターズ
ポーラ・ケリー
ソイレント・グリーン レビュー
2022年人口増加により、特権階級と貧民との貧富差が広がる社会で、多くの市民が路上生活をする社会。肉や野菜といった本物の食料品は希少で高価なものとなり、特権階級を除くほとんどの人間は、ソイレント社が海のプランクトンから作るという合成食品の配給を受けて生活している世界
なかなか物騒な世界観で現実世界の2022年はこのようにならなくて本当に良かったですよね。
原作はハリイ・ハリスンの小説「人間がいっぱい」。監督は「ミクロの決死圏」のリチャード・フライシャー、主演は「ベン・ハー」のチャールトン・ヘストンが務めております。
人口増加が招いた食糧危機というのがとても不気味で今世界で起きていることと照らし合わせると鳥肌モノでは済まされない不気味さがあります。
電力の供給もままならないため自転車をこいで自家発電する様子などは電力不足の昨今にも通じてくるようで、
この映画、小説に先見の明があったのか、それとももともと計画されていた事なのか。
都市伝説脳を擽られる映画でもあります。
電力不足だから自転車をこいで自家発電する様子や、
高級住宅にはインテリアとして若い女性がついてきたりと、
貧富の差のコントラストがはっきりと分かれており、綺麗な世界は白色で貧しい世界は暗く薄暗い映像で映し出されているのも印象的でした。
視聴者にとっては何気ない食品や日用品を持ち帰って、大事に大事に食べたり使用したりする様子はなかなかの説得力があり、見事な演出だと思います。
また、この映画で注目したいのは企業が巨大な力を持っているという点です。
企業がこのような状況を作り、独占的な富を得ているという構造は、映画ほど大胆ではないが現実世界でもしっかり行われていることではないでしょうか?
特にソイレント社のモデルは絶対にあのアメリカ企業ですよね。
とにかくこの映画を観て言えることは真実は自分で見つけるしかないと言う事ではないでしょうか?
様々な媒体で情報を得られる現代において正しい情報を見つけ出し、悪い方へコントロールされないようにする。
そんなメッセージをこの映画からは感じました。
ソイレレント・グリーンの正体
ソイレント・グリーンとは何だったのでしょうか?
それは映画終盤に明かされました。
ソイレント・グリーンは死んだ人間を基に作られていました。
映画内の世界には「ホーム」と呼ばれる安楽死施設があり、そこで死亡した人間をゴミ収集車のようなトラックで工場に運びソイレント・グリーンを製造していたのです。
恐ろしいのは、
人口増加→安楽死→食糧製造のサイクルが作られていると言う事。
全て特権階級の思惑通りに社会が構造されている点ですね。
また安楽死施設の「ホーム」は2022年公開の映画「PLAN75」のようでした。
2022年にかぶせるには不吉すぎる題材ですね。
ソーン刑事はその後どうなったのか?
真実にたどり着いたソーン刑事は映画ラスト、ソイレント社が用意した殺し屋に襲撃されタンカーで運ばれます。
上司にや周りの人間に「ソイレント・グリーンは人肉だ!」と叫びます。
ここで映画は終わるのですが、エンドロールでは「ホーム」で流れていた美しい自然豊かな景色の映像とベートーヴェンの交響曲第6番「田園」が流れます。
間違いなくソーン刑事もソイレント・グリーンになってしまったのでしょう。
そして、上司もソイレント社とグルだったのでしょう。
なんとも救いようのないラストでした。
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