今回紹介する映画は実際にあった呪いの箱から着想を得たホラー映画「ポゼッション(2012年)」です。
最近だと少年ジャンプで連載中の呪術廻戦などでも登場する”呪物”ですが、この映画は呪物に憑りつかれてしまった少女と家族の物語となっています。
本作のレビューやストーリーの着想を得たと言われるディビュークの箱について解説考察していきたいと思います。
ポゼッション(2012年)
2012年製作/92分/G/アメリカ・カナダ合作
原題:The Possession
配給:ブロードメディア・スタジオ
あらすじ
妻と離婚し、週末ごとに2人の愛娘と過ごす中年男クライドは、とあるガレージセールでアンティークの木箱を購入して以来、次女エミリーに異変が起こっていることに気づく。その箱に異常な執着心を示すエミリーは、徐々に性格が凶暴になっていき、奇行をエスカレートさせていく。我が子の変貌ぶりに危機感を覚えたクライドは調査を開始するが、時すでに遅く、エミリーの体には恐ろしい“何か”がとり憑いていた。
スタッフ・キャスト
監督:オーレ・ボールネダル
製作:サム・ライミ
ロバート・G・タパート
J・R・ヤング
ナターシャ・カリス
マディソン・ダベンポート
グラントショー
マティシャフ
ジェイ・ブラゾー
ポゼッション レビュー解説考察
かなり不気味なポスターの本作ですが、ホラー度で言えばそこまで怖くは無いので気軽に観れるホラー映画といったところです。
ホラー大好きの方には少々物足りないかもしれません。
ですが、物語は家族愛がテーマとなっているので怖いだけの映画じゃない事を先にお伝えしますね。
製作に「死霊のはらわた」や「スパイダーマンシリーズ」のサム・ライミ。監督に「モルグ」「ナイトウォッチ」のオーレ・ボールネダルとのことで、ホラー作品を得意とするスタッフが撮っているだけあってそこまで怖くないといいましたが、重厚なホラー映画になっています。
ビックリする系の脅かしは無いので安心して観れます(笑)
離婚して娘2人にたまにしか会えない父親が主人公という何とも辛い境遇の登場人物たちなのですが、ある日ガレッジセールで娘がおねだりした奇妙な箱を買った時から平穏な日常が崩れ始めます。
週末父親に会いに来る娘二人がとても健気で可愛らしいのですが、とくに今回取り憑かれる妹の平常時と取り憑かれてからのギャップがありすぎてそこが観ていて一番怖く辛かったです。
もし自分が父親と同じ立場で娘があんなふうになってしまったらショックどころの騒ぎじゃないでしょう。
そしてこの映画のいいところは人間サイドもやられてばかりではないということ。
娘を救うために父親が奔走します。
この辺の流れは胸熱な展開で、病院内でのラストバトルは感動ものです。
ただ怖いだけではなく家族愛というメッセージ性も含めた良質なホラー映画でした。
ホラーが苦手な方でも試して見る価値の一本です。
ポゼッションの意味は?
ポゼッション (Possession)を直訳すると「所有」となりますが、他には「悪魔がとりつくこと」という意味もあるそうです。
大学教授の研究は?
箱の正体を探るため主人公は大学の教授に助けを求めますが、その教授の授業で使われたスライドに「self possession thru transformations」と映し出されていました。
スライドには他に悪魔に憑りつかれてしまった人と思われる人々の写真や動画も流れていました。
これらから、悪魔についてや宗教、民俗学などを専門とした教授と思われます。
箱の正体は?
その教授曰く、箱は1920年代ポーランド製でユダヤ人が作ったと語っており。
箱にはヘブライ語が彫られており、ヘブライ語で「封じられた悪魔」と彫られていました。
モデルとなったディビュークの箱とは?
モデルとなったディビュークの箱とはいったいどういったものなのでしょうか?
ディビュークの箱とは古代ヘブライ語で「封じ込めた霊」を意味し、この箱を開けた者は、
- 体調不良
- 害虫の発生
- 怪奇現象
など、不可解な現象が次々起こると言われています。
箱の中には
が入っていたそうで、悪魔を封じ込めるために必要な物なのでしょうか、文字だけでも不気味ですね。
様々な人間の手を渡って現在はアメリカラスベガスにあるホーンテッド・ミュージアムに展示されています。
映画はどこまでが事実なのか?
実際に存在する「ディビュークの箱」が起こしてきた奇妙な現象が引用されています。
まず、箱を遺品整理のためにガレッジセールに出したところ、骨董収集家のケビンが購入。ケビンは箱を開けたのち心霊現象や体調不良に見舞われます。さらにケビンは箱を母にプレゼントしたことろ母がその日の脳卒中で倒れてしまいます。
さらに次の所有者は害虫の大量発生が起きたりしたそうです。
最終的にユダヤ教の宗教指導者の協力のもと悪魔を封じ込めることに成功したそうです。
映画内ではひと家族の中での物語でしたが実物の箱は所有者を転々としながらその邪悪な力を発揮していたのです。
映画のラストで箱は封印されると思われましたが、不慮の事態でまたもや世に解き放たれるという意味深な終わり方でした。
呪いは次へとつながるというところも事実からの引用といえますね。
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