映画「エルヴィス」レビュー エルヴィスを知らない人にも見てほしい!
今回レビューする新作映画は「エルヴィス」です。
ドルビーアトモスのスクリーンで鑑賞してまいりました。
エルヴィスを知らない、聞いたことのないエルヴィス初心者も人にもぜひ見てほしい傑作でした。
ぜひ劇場で感動を味わってほしいです。
以下ネタバレなしレビュー↓
映画「エルヴィス」
2022年製作/159分/G/アメリカ
原題:Elvis
配給:ワーナー・ブラザース映画
あらすじ
ザ・ビートルズやクイーンなど後に続く多くのアーティストたちに影響を与え、「世界で最も売れたソロアーティスト」としてギネス認定もされているエルビス・プレスリー。腰を小刻みに揺らし、つま先立ちする独特でセクシーなダンスを交えたパフォーマンスでロックを熱唱するエルビスの姿に、女性客を中心とした若者たちは興奮し、小さなライブハウスから始まった熱狂はたちまち全米に広がっていった。しかし、瞬く間にスターとなった一方で、保守的な価値観しか受け入れられなかった時代に、ブラックカルチャーを取り入れたパフォーマンスは世間から非難を浴びてしまう。やがて故郷メンフィスのラスウッド・パークスタジアムでライブを行うことになったエルビスだったが、会場は警察に監視され、強欲なマネージャーのトム・パーカーは、逮捕を恐れてエルビスらしいパフォーマンスを阻止しようとする。それでも自分の心に素直に従ったエルビスのライブはさらなる熱狂を生み、語り継がれるライブのひとつとなるが……。
スタッフ・キャスト
監督:バズ・ラーマン
製作:バズ・ラーマン
キャサリン・マーティン
出演:オースティン・バトラー
オリヴィア・デヨング
映画「エルヴィス」レビュー エルヴィスに興味ないから観ないなんて勿体ないぞ!
エルヴィス・プレスリーといえばど派手なジャンプスーツ姿でラスベガスでショーをするイメージぐらいしかないくらいエルビス・プレスリーのことを深く知らない自分ですが、この映画はとても楽しめました。
エルヴィス・プレスリーを知らない人でも見て損はない傑作です。
監督を努めたのはムーラン・ルージュ、華麗なるギャッビーなどのバズ・ラーマンでギラギラで豪華なショービズの世界が上手く表現されていました。
そして、主人公であるエルビスを演じたのはオースティン・バトラーでワンス・アポン・ア・タイムインハリウッドでは乗馬ツアーの案内役のヒッピーで後に事件を起こす重要な役を演じていました。
エルビスのマネージャー役のパーカー大佐を演じるのは言わずとしれたトム・ハンクスでいい人の役のイメージが強いですが、金にがめつい強欲なマネージャーを演じきっていました。
初心者でも楽しめる?
エルヴィスにはなんの思い入れもない自分ですが、
実在のロックスターを題材にした映画ハズレ無しのジンクスじゃないですか、フレディー・マーキュリーの半生を描いたボヘミアン・ラプソディやエルトン・ジョンのロケットマンなどどちらも名作で実在スターの伝記映画はハズレ無しと思い観に行きました。
結果このジンクスは間違いじゃなかったです。
エルヴィスはボヘミアン・ラプソディ、ロケットマンの二匹目のドジョウを狙っただけの作品でしょみたいな感じで劇場で観るのをスルーしようとしているなら今すぐ見に行ったほうがいいですよ!
なんせ、エルヴィスがかっこいい
なぜエルヴィスがここまで熱狂的な人気を獲得し、今もなお語り継がれる存在なのかがこの映画を見ればわかります。
彼の生まれはとても貧しく、メンフィスの土地柄から黒人たちのカルチャーの中で育ったというバックボーンを知ることで彼が以下にブルースやR&Bを大切にしていたのかということがわかります。
ショービズにより作られた虚構のスターのようにも見えますが、彼の心の中にはしっかりブルースのソウルがあり、だからカッコいいのだということが分かりました。
この感動はぜひ劇場で味わっていただきたいです。
約2時間40分という時間は決して長くはなく、後半はお尻が痛かったですが(笑)エルヴィスの生い立ちから晩年までを描くために必要な時間だと感じました。
また、飽きずに見れるというのもバズ・ラーマンの編集の凄さもあるのでしょう。
ボヘミアン・ラプソディとの違い
この映画、マネージャーであるパーカー大佐の目線で描かれているため、ドキュメンタリーを見ているかのような感覚になります。この点はフレディーの主観で描かれたボヘミアン・ラプソディとの違いですね。
エルヴィスを客観視することで当時の観客の心情が見えるようでとてもいい効果だと思いました。
映画の中で、エルヴィスのパフォーマンスで腰を振るなんて言語道断で指一本動かさずに歌えと警官がいつでも逮捕できる状態でライブするシーンがあるのですが、観客のようにいつものエルヴィスを見せてくれ!と期待してしまう感覚が見ながら味わえたのは最良の映画体験でしたね。
実際のエルヴィスと似てるのか?
映画を見終わったと実際のエルヴィスのライブが見たくなります。
今はいい時代でYouTubeに公式、非公式といくつもの当時の映像を見ることができます。
映画に登場するパフォーマンスの実際の映像なんかも見れるので探してみてほしいのですが、
なんせオースティンバトラーのエルヴィスの完成度が高いことに驚きます。
往年のエルヴィスファンもうなるほどしぐさやしゃべり方など完璧だそうです。
youtubeで「エルヴィス カムバックライブ」や「エルヴィス アンチェンインドメロディ」なんかで検索すると映画まんまの実際の映像が見れるので鑑賞後に観ることをおススメします。
観るなら早めがいいかもしれない
私が住む地方でも上映館数も限られてお気に入りの映画館ではやっていなかったのですが、聞くところによると7月1日は新作映画の公開ラッシュで、トイストーリーのスピンオフで「バズ・ライトイヤー」や、ポール・トーマス・アンダーソン監督の「リコリス・ピザ」さらに8日からはマーベルスタジオの「ソー:ラブ&サンダー」など夏休みに向けて多くの新作映画が公開されています。
なので上映期間が短くなってしまうのは致し方なさそうなのです。
この名作を見逃さないためにもお早めに映画館へ!
エルヴィスに興味が湧いたら観ておきたいライブ作品
映画にも登場したエルヴィス・プレスリーがラスベガスで行ったライブステージです。
ザ・クロマニヨンズのシングル「エルビス(仮)」もこの映画を観た後で聞くと感じ方が違うんですよね。面白い!
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映画「ガンズ・アキンボ」レビュー FPS好きは見て損は無い痛快ガンアクションコメディー
今回紹介する映画はダニエル・ラドクリフ主演の「ガンズ・アキンボ」です。
映画館で予告を観て面白そうだけどスルーしていた一作でしたが、もっと早く見ておけばよかったと思える楽しい作品でした。
ちなみにアキンボとは二丁拳銃の意味で、
上のポスターにあるダニエルの立ち姿のように西部劇で仁王立ちして二丁拳銃で構える姿を指します。
「ガンズ・アキンボ」
2019年製作/98分/R15+/イギリス・ドイツ・ニュージーランド合作
原題:Guns Akimbo
配給:ポニーキャニオン
あらすじ
ゲーム会社でプログラマーとして働くマイルズは、ネットの掲示板やコメント欄に過激な書き込みをして鬱憤を晴らしていた。ある日、マイルズは本物の殺し合いを生配信する闇サイト「スキズム」に攻撃的な書き込みを繰り返し、サイトを運営する闇組織のボスを怒らせてしまう。組織に襲撃され気を失ったマイルズが目を覚ますと、両手にボルトで拳銃が固定されていた。さらに元恋人も人質にとられたマイルズは、「スキズム」で最強の殺し屋ニックスに24時間以内に勝てば解放すると言い渡される。
スタッフ・キャスト
監督:ジェイソン・レイ・ハウデン
出演:ダニエル・ラドクリフ
サマラ・ウィービング
ナターシャ・リュー・ボルディッゾ
ネッド・デネヒー
「ガンズ・アキンボ」レビュー
両手にボルトで銃を固定されてしまった男の悲劇を描いた本作。主演はハリーポッターシリーズでお馴染みのダニエル・ラドクリフが演じています。ハリーポッターのイメージが強すぎる彼ですが、演技の幅を広げるために、彼のキャリア的にも重要かつ必要な作品となっているのではないでしょうか。
ダニエル演じる主人公マイルズはいわゆる「ネット弁慶」で、日ごろのストレスをネットの書き込みで発散しています。彼は彼なりの正義感をもって本物の殺し合いを生配信する闇サイト「スキズム」のファンたちと言い合いをするのですが、恨みを買ってしまったマイルズは運営にIPアドレスを抜かれ特定されてしまいます。
これが彼の悲劇の始まりでした。
主催者である顔面タトゥーのいかにもヤバそうな男リクターとその仲間たちが自宅に押し入り、拉致、そして、両手に銃を固定され強制的に「スキズム」に参加させられます。
対戦する相手はサマラ・ウィービング演じるニックス。銃の腕も運転も一流の殺し屋で映画冒頭でポンティアックを運転しながらの銃撃シーンはとてもカッコよく一気に作品に引き込まれました。
作品のテーマ
物語は非常に簡潔で「ネットの世界に閉じこもってないで現実を見ろ!そして、行動しろ!」そんな内容でした。
そんなSNS全盛期の現在対して風刺的なメッセージをコミカルに描いています。
FPS好きなゲーマーにおススメしたい
特にFPSゲームが好きな方はかなりハマれる映画なんじゃないでしょうか?
ところどころFPS(一人称)視点でのカメラワークが見られガンアクションや血しぶきの表現などもとてもゲーム的です。
コカインを摂取してライフ回復するような描写もユニークで笑えます。
ちなみにマイルズは「DOOM」や「バトルフィールド」が好きみたいです。
最後に
銃を両手に固定されてしまったばかりにズボンが履けなかったりドアを開けれないなど日常生活でも不便さも面白いのですが、ネットでしか本音を言えなかったマイルズが現実世界でも本音で行動できるようになっていく様が本作の最大の面白さとなっています。
98分と見やすい時間でテンポもよく、何を見ようか迷っているならこの映画おすすめですよ。
個人的にはリクターの手下で犬のマスクをかぶっている男の素顔が見れたらもっとよかったですね。
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映画「サイン」解説・考察・ネタバレ有 聖書を知るともっと楽しめる!?
今回はメルギブソン主演、M・ナイト・シャマラン監督の映画「サイン」です。
評価は賛否両論あり上のポスターでも“戦慄の新世紀スリラー”などと謳ってるから勘違いしやすい映画ですが、この映画そもそもSFスリラーとして期待して観てしまうからいけないのだと思います。
映画「サイン」
2002年製作/107分/アメリカ
原題:Signs 配給:ブエナビスタ
あらすじ
妻の事故死により信仰を失った元牧師グラハムが2人の子供と弟メリルと暮らす農場で、怪現象が発生。とうもろこし畑に一夜にして巨大な図形=ミステリー・サークルが出現したのだ。いったい誰の仕業なのか。
スタッフ・キャスト
監督:M・ナイト・シャマラン
製作:M・ナイト・シャマラン
フランク・マーシャル サム・マーサー
製作総指揮:キャスリーン・ケネディ
脚本:M・ナイト・シャマラン
ローリー・カルキン
映画「サイン」解説・考察
映画「サイン」は「シックス・センス」「OLD」のM・ナイト・シャマランでお得意の不思議でSFホラーな物語となっています。グラハム(メルギブ)の農場にミステリーサークルが出現、世界中でもUFOが襲来し世界中が混乱する中、様々な「サイン」がグラハム一家に現れます。SF的なストーリーでありながら、家族愛や信仰心を描いた作品となっています。
主演は「マッドマックスシリーズ」「ブレイブハート」のメル・ギブソンが元牧師の主人公グラハムを演じ、「her/世界でひとつの彼女」「ジョーカー」のホアキン・フェニックスがグラハムの弟役を演じました。
ちなみにグラハムの子供役で出演したローリー・カルキンの実兄は「ホームアローンシリーズ」で知られるマコーレ・カルキンです。兄弟だけあってそっくりです。
本作のテーマは家族愛・信仰心
ミステリーサークルやUFOなどムー的な題材の中で描かれるのは家族愛や信仰心の大切さでした。
妻を事故で亡くし神を信じなくなった元牧師のメルギブ演じるグラハム次々に出現する”サイン”を理解し弟にお前はどっちだと問いかけます。
「”神のサイン”や”奇跡”を信じる人間か、ただ運がいいと考える人間か」
これはキリスト教のみならず誰でも当てはまるメッセージだと思います。
何事もにも意味があると思えば、きっと次につながる大切な出来事が日常にいっぱい溢れているはずなのです。
例えば失敗に学ぶなんてこともそうですし、
事故を見かけたから自分も運転気を付けようみたいに、
それが神からのメッセージと捉えるかは人それぞれというだけでそれに気づけるかどうかが大事なのです。
宇宙人にリアリティがないは的外れ
真面目に描いているようでこのストーリーはファンタジーですよと劇中で描かれているます。
映画ラスト付近、宇宙人が地球を去っているとのラジオ放送を聴いて地下から抜け出すシーンで映る板を打ち付けた窓は「☆」や「☽」などの形で穴が空いていました。まるで子供のおもちゃのデザインのようでした。このことからこのお話を本気でSFとかサスペンスで捉えないでねという”サイン”なのです。
またホアキンのフルスイングは完全にファンサービスですよね。
最後まで映画を観てくれた人へのおまけのようなものです。
過去を一気に吹き飛ばす豪快なラストでした。
宇宙人はグラハム一家の迷いそのもの
宇宙人とのラストバトル、カルキン君が宇宙人につかまり妹が悲鳴をあげます。
この時の妹の姿が宇宙人の背中に浮かび上がっているのに気づきましたか?
宇宙人VS地球人ではなく映画はあくまで宇宙人VSグラハム一家でした。
この映画での宇宙人は過去のトラウマや迷いなどの象徴で、この宇宙人を倒さないとグラハム一家は前に進むことができないのです。
家族が団結して問題を解決する映画なのです。
宇宙人が攻め込んできたときの一家の服装は全員青色でした。
青は聖書で三位一体を現す聖なる色で一家は神の力に守られていたのでした。
作中に登場する“サイン”
本屋のオヤジがUFOのテレビ中継に対して「ソーダ会社の陰謀だ」と陰謀を唱えるていましたが、グラハム一家にも啓示ともいうべきサインがおくられていました。
- ミステリーサークル
- 犬の異変
- 水の入ったコップ
- ホアキンの野球エピソード
伏線ともいえる”サイン”がたくさん出ていました。
伏線はきっちり回収されるので伏線を探しながら鑑賞するのも面白いでしょう。
豆知識
信仰心とプロテスタント
メルギブ演じるグラハムはプロテスタントの牧師でしたが、妻が交通事故で亡くなったことをきっかけに信仰心を失い牧師を引退していました。
キリスト教にはプロテスタントとカトリックと2つの宗派があります。
見分けるポイントは、
ざっとこんな感じです。
プロテスタントは信仰によって救われると考え、
カトリックは信仰心と日ごろの行いによって救われると考えています。
この違いを知っているだけでも映画の見方が変わりますね。
【周りに差をつける】映画考察をするために読んでおきたいおすすめ映画本を紹介! - ウィルのおいしい生活ブログ
ちなみにメルギブソンは熱心なカトリック教徒で自身の監督作品でイエス・キリストの受難を描いた「パッション」という映画を撮っています。
重要な役回りのシャマラン監督
必ずと言っていいほど作中に登場するM・ナイト・シャマラン監督ですが、彼が演じる役はかなりの確率で重要な役なことが多いです。
今回も宇宙人の弱点をメルギブに伝えていました。
シャマラン作品を観るときはシャマランがどこに登場するかに注目して観るといいですよ。
ちなみにこんな感じの方です↓
画像引用:Wiki
M・ナイト・シャマラン監督最新作
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