はじめに
皆さんは人生を謳歌していますか?
山あり 谷ありの人生で、その人生を楽しむためには時に一歩踏み出す勇気が必要なときがあります。
そんな時、お酒の力を借りて普段言えないとこを言ってみたりだとか、
お酒の力を借りて普段しそうにない行動をしてみたりだとか・・・
今回ご紹介する映画「アナザーラウンド」はそんな映画でございました。
ちなみに前回の記事で紹介した映画「ギルティ」と同じくオランダの作品となります。
will-oishiiseikatsu.hatenablog.com
オランダ映画というジャンル来てるかもしれませんね。
アナザーラウンド(原題:Druk)-2021年オランダ-
あらすじ
冴えない高校教師のマーティンと3人の同僚は、ノルウェー人の哲学者が提唱した「血中アルコール濃度を一定に保つと仕事の効率が良くなり想像力がみなぎる」という理論を証明するため、実験をすることに。朝から酒を飲み続け、常に酔った状態を保つと授業も楽しくなり、生き生きとするマーティンたち。生徒たちとの関係も良好になり、人生は良い方向に向かっていくと思われた。しかし、実験が進むにつれて次第に制御がきかなくなり……。
スタッフ・キャスト
監督:トマス・ヴィンターベア
脚本:トマス・ヴィンターベア
トビアス・リンホルム
出演:マッツ・ミケルセン
トマス・ボ・ラーセン
マグナス・ミラン
ラース・ランゼ
アナザーラウンド レビュー
皆さん大好き”北欧の至宝”ことマッツ・ミケルセン主演映画でございます。
日本では9月からの公開でしたが私の住む地方では10月に入ってようやく劇場公開ということでさっそく観てきました。
トマス・ヴィンターベア監督とマッツ・ミケルセンのタッグは映画「偽りなきもの」2013年の作品以来となります。
しかし、今回の作品はそういった作品ではなく見終わった後にすっきりと終る大変清々しいラストでした。
酒はオランダ人にとって文化的にとても重要なものです。
もともと我々日本人と違ってアルコールに強いという体質もあるのですが、16.5%未満の種類なら16歳から店頭で購入可能で、家で飲む分には16歳以下でも法律違反ではないということで、マッツも13歳から飲み始めていたそうです。
ですが近年のポリコレの流れによるモラル上昇は大酒のみのオランダ人にとって表層的な部分だけの批判なのではないかという監督の疑問からこの映画の構想を得たと監督は語っています。
ですが、単に飲酒を肯定するだけの映画に留まっていないのがこの映画の凄味で各映画賞にノミネートする所以なのではないでしょうか。
自分はすぐに酔っぱらう体質なので浴びるように飲んでフラフラになったり記憶をなくしたりという経験がないのですが、主人公たちに感情移入できます。皆さんも同じように感情移入できるはずです。
仕事や自分のキャリアプランについてや家族との関係など人生において悩みや困難、悲しみは同じように我々の身に降りかかってきます。
どうやって自分の人生を切り開いていくのか。
そのひとつの答えを教えてくれるのがこの映画なのです。
人生を好転させるためにはまず、この人生を楽しむことから。
映画最後のメッセージ
映画の最後、「アイダに捧ぐ」のメッセージで終わります。
実は監督トマス・ヴィンターベアの愛娘アイダのことで、撮影の4日後に交通事故で亡くしてしまいました。この映画にもマッツの娘役で出演予定でした。
そんな悲しみの中監督はこの映画を完成させたそうです。
苦悩を乗り越えた監督の思いが詰まった作品にもなっているのかと思うととても感慨深いですね。
劇中にも登場するビール「カールスバーグ」はマッツもCMに出演しているデンマークのビールです。
映画ラストに流れるスカーレット・プレジャーの「What A Life」
ボーカルのエミルはマッツの娘さんの同級生だそうです。