映画「ハードコア」レビュー・解説・考察 GoPROによる超絶FPSアクション

ha-dokoa

今回は映画「ハードコア」です。

前々回の記事で取り上げた「Mr.ノーバディ」のイリヤ・ナイシュラー監督の作品とのことで気になり鑑賞しました。

全編FPS視点とのことでかなり好き嫌いが分かれる作品でしたがハマれる方はとことん好きな映画なんじゃないでしょうか?

どんな方におススメなのかも解説していきたいと思います。

映画「Mr.ノーバディ」解説・考察 ハッチの正体は?タトゥーの意味は? - ウィルのおいしい生活ブログ

 

 

 

 

 

映画「ハードコア」


www.youtube.com


2016年製作/96分/R15+/ロシア・アメリカ合作
原題:Hardcore Henry
配給:クロックワークス

 

 

あらすじ

見知らぬ研究施設で目を覚ましたヘンリー。彼の身体は事故によって激しく損傷しており、妻と名乗る女性エステルによって機械の腕と脚が取り付けられる。さらに声帯を取り戻す手術に取り掛かろうとした時、施設を謎の組織が襲撃。脱出を試みたもののエステルをさらわれてしまったヘンリーは、超人的な身体能力を駆使して救出に向かう。

ハードコア : 作品情報 - 映画.com

 

スタッフ・キャスト

監督:イリヤ・ナイシュラー

撮影:セバ・カプトゥール

   ヒョードル・リャッス

   パシャ・カピノ

編集:スティーブ・ミルコビッチ

音楽:ダーシャ・チャルーシャ

 

出演:シャールト・コプリー

   ダニーラ・コズロフスキー

   ヘイリー・ベネット

   アンドレイ・デミエンティエフ

   ダーシャ・チャルーシャ

   スヴェトラーナ・ウスティノヴァ

   ティム・ロス

 

 

 

映画「ハードコア」レビュー・解説・考察

全編FPS視点で撮影されたという意欲作で、監督のイリヤ・ナイシュラーは「バイティング・エルボウズ」ロックバンドのフロントマンも務め自身のバンドの楽曲「Bad Motherfucker」のPVが話題となり、その映像を見たプロデューサーのティムール・ベクマンベトフの勧めにより今回の映画が製作されました。

楽家から映画監督とかなり多彩な方ですね。

 

www.youtube.com

 

このPVを見て好意的な印象を持ったのならこの映画も気に入るでしょう。

 

どんな人におススメ?

 

かなりの暴力表現を含むのでそういった表現にあまり慣れていない方やゲームをしていて酔うことがある方は96分間耐えることができなさそうです。

ですが、普段FPSゲームに慣れている方は一見の価値ありといったところです。

 

ゲームの引用

ゲーム的なストーリーにカメラワークなのですがかなり実際のゲームの影響というかオマージュを感じます。

Left4Dead」のポスターが登場したり「Left4Dead」内で登場するステージと同じ配置だったりとわかる人はピンとくるような小ネタが仕込まれています。

ロシアが舞台なだけあって「コールオブデューティー4: Modern Warfare」でのミッションでチェルノブイリにギリースーツで潜入するシーンを思わせるようなシーンなどもあります。

ゲーム好きにはたまらないのではないでしょうか?

 

パルクール的要素も楽しい

FPS視点での逃走や潜入はかなり臨場感というかスリル満点です。

こちらもゲームですが2008年発売の「ミラーズエッジ」を思い出しました。

ビルの高所でのアクションや壁をよじ登ったりと銃撃戦や肉弾戦もいいですがこのパルクール(フリーラン)アクションも見どころです。

 

撮影はGoPRO

どうやってこのような撮影を行ったのかというと「GoProHero3BlackEdition」で撮影されたそうです。

監督を含むスタントマンとカメラマンによって撮影されています。

今でこそ「シン・ウルトラマン」などiPhoneで撮影される映画も多くなっていますがこの映画のように一般人も手に入れることができるカメラでここまでの映像が撮れるというのは本当に凄いことだと思いますし、監督のアイディア光る作品といえます。

 

 

主人公ヘンリーの正体は?

主人公ヘンリーは一体何者なのでしょうか?

映画冒頭ロボットが壊される記憶から始まるのですが、順当に考えればいじめられてロボットを壊されたいじめられっ子がヘンリーだと思われます。

ですが、映画終盤にヘンリーがラボで目覚めてからの記憶を他のサイボーグの脳に植え付けてサイバー兵士軍団を作る計画が明かされます。

まるで「メタルギアソリッド」のゲノム兵みたいなやつです。

記憶の改変なんていかようにもできることを考えると実は子供のころの記憶も捏造されたものなのかもしれません。

 

イカンの能力は?

敵のボスであるエイカンはハンドパワーでモノや人を吹き飛ばしたり操ったりできる能力でヘンリーを苦しめました。

この能力は「念力」らしく、この映画の世界ならありえなくもなさそうですが

思ったのは磁力を使った能力なのではないかということ。

機械人間で体内に金属が埋め込まれているからそこ磁力で宙に浮いたり吹き飛ばされたりするのではないでしょうか?

 

 

CoD4やミラーズエッジ、MGSなど往年のゲームを感じさせるため観ていてとても懐かしい気持ちになってしまいましたが、映画としてはとても新しいことに挑戦しており(それでも2016年製作)いい映画体験でした。

かなり好き嫌いの分かれる映画だとは思いますが、派手なCGがなくてもアイディアで素晴らしいアクション映画を撮ることができるということを示した映画でした。

 

 

 

 

 

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映画「フロッグ」レビュー・解説 どんでん返しの先の読めないおすすめサスペンス

フロッグ


今回の映画は「フロッグ」です。

これはぜひネタバレなしで見てほしい作品なのでまずは視聴してからこの記事を読むことをおススメします。

上のポスターのように不気味なお面が怖くてホラーっぽそうだから観ていないなら今すぐ見たほうがいいです。ホラー的な雰囲気ですが伏線回収が気持ちいミステリーとなっています。

予測できない結末のミステリーを見たいならこの映画おススメです。

上映時間も98分とコンパクトなので時間をそこまでとてないときにもいいでね。

 

 

 

 

 

 

映画「フロッグ」


www.youtube.com

2019年製作/98分/イギリス
原題:I See You
配給:クロックワークス

 

 

あらすじ

ある街で、10歳と9歳の少年が相次いで失踪した。事件現場には、かつて世間を騒がせた連続少年誘拐殺人事件と同じ緑色のナイフが残されていたが、当時の犯人は既に逮捕されており捜査は難航する。一方、事件を担当するハーパー刑事の自宅で不可解な現象が続発。やがてハーパー刑事の息子コナーのもとに奇妙なメッセージが届き、事態は予想外の方向へと展開していく。

フロッグ : 作品情報 - 映画.com

 

スタッフ・キャスト

監督:アダム・ランドール

製作:マット・ワルデック

脚本:デボン・グレイ

 

出演:ヘレン・ハント

   ジョン・テニー

   ジュダ・ルイス

   オーウェンティー

   リーベ・バラール

 

 

 

映画「フロッグ」レビュー・解説(ネタバレ含み)

アマプラの見放題に配信が来ていたため2度目の視聴となりましたが、結末を知っていても楽しめる作品でした。

 

自然に囲まれた閑静な住宅街からオープニングは始まります。

自転車に乗った少年が森の中を走りますが、何者かによって仕掛けられたピアノ線に引っ掛かり吹っ飛ばされてしまいます。

 

もうこの辺の始まりからホラーです。

初見の時は超常現象が起きたかのような演出で、初めから45分間はほぼホラー映画のような作りになっています。

急にテレビが付いたり、銀食器が消えたり、一人息子なのに娘を見たと言われたり

不穏な空気が続きます。

 

さらに、奥さんの不倫が原因で家族仲も最悪の状態というのがとても見ていて居心地が悪いのです。

 

この緊張感が種明かしによって一気に吹き飛ぶ感覚はどんでん返し系ミステリーの楽しさですし、それが十分に味わえる作品となっています。

 

98分というコンパクトな上映時間の中で伏線もきっちり回収されるのもいいですね。長けりゃいいってものでもない。

 

家族愛や大層なテーマに収束せず最後までミステリー、サスペンスに徹底していたのがよかったのだと思います。

 

フロッグとは

フロッグ、フロッキングとは他人の家に忍び込み隠れて生活をすることを言います。カエルのように次々と家を転々と移動する様からそういわれているそうです。

ゲストルームがあるような大きな家が多いアメリカならではのように思えますが、日本でもこのような事件はあるそうです。

一軒家に住んでいる方は屋根裏部屋を確認してみてはいかがでしょうか・・・

 

映画ラストの意味は?

フロッグ初心者のアレックは実は15年前の続少年誘拐殺人事件の被害者でした。

彼がハーパー家に忍び込んだのも、家族に悪戯しだしたのもすべては復讐のためだったといことが明かされます。

緑色のナイフとヨッシーのPEZがクローズアップされていました。

 

復讐のために忍び込んだと考えると家族写真を切り抜いたり、放尿したりした行動の動機が分かりますね。

ゾッとするラストでしたね。

 

豆知識~あのアリバイ工作は無意味~

グレッグがミンディを射殺した後アリバイ工作(衛藤防衛主張)のためミンディが撃ってきたように見せかけるためリボルバーをわざと壁に撃ち込みます。

しかし、銃を撃つと手には鉛や火薬などの残留物が残るため検視すればミンディが発砲していないことが分かってしまいます。

警官だから何でも操作可能だからの行動だったのかどうかはわかりませんがね。

 

 

 

 

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映画「Mr.ノーバディ」解説・考察 ハッチの正体は?タトゥーの意味は?

ミスターノーバディ

今回は映画「Mr.ノーバディ」です。

「ナメてた相手が実は殺人マシーンでした」モノに分類される本作はキアヌ・リーヴスの「ジョン・ウィック」やデンゼル・ワシントンの「イコライザー」と一緒と思って観るとちょっと危険な作品でした。

以下レビューと考察です。

 

 

 

 

映画「Mr.ノーバディ」


www.youtube.com

2020年製作/92分/PG12/アメリ
原題:Nobody
配給:東宝東和

 

あらすじ

郊外にある自宅と職場の金型工場を路線バスで往復するだけの単調な毎日を送っているハッチは、地味な見た目で目立った特徴もなく、仕事は過小評価され、家庭では妻に距離を置かれて息子から尊敬されることもない。世間から見ればどこにでもいる、ごく普通の男だった。そんなハッチの家にある日、強盗が押し入る。暴力を恐れたハッチは反撃することもできず、そのことで家族からさらに失望されてしまう。あまりの理不尽さに怒りが沸々とわいていくハッチは、路線バスで出会ったチンピラたちの挑発が引き金となり、ついに堪忍袋の緒が切れる。

Mr.ノーバディ : 作品情報 - 映画.com

 

 

スタッフ・キャスト

監督:イリヤ・ナイシュラー

脚本:デレク・コルスタッド

製作:ケリー・マコーミック

   デビッド・リーチ

   ブレイデン・アフターグッド

   ボブ・オデンカーク

   マーク・プロビッシエロ

 

出演:ボブ・オデンカーク

   コニー・ニールセン

   RZA

   クリストファー・ロイド

   アレクセイ・セレブリャコフ

 

主人公ハッチの父役は映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のドク役のクリストファー・ロイドです。

 

 

 

映画「Mr.ノーバディ」レビュー・解説・考察(ネタバレ少々)

「ナメてた相手が実は殺人マシーンでした」モノのジャンルを確立したといってもいい映画「ジョン・ウィック」シリーズの脚本デレク・コルスタッドと製作デビッド・リーチが関わった本作は、大したことないヤツ(ノーバディ)が大暴れするのですが、作品の方向性は「ジョン・ウィック」とはまったく異なるものとなっていました。

 

共感しすぎるのは禁物

 

映画冒頭、大したことない男ボブ・オデンカーク演じるハッチの平凡な1週間が映されます。毎日同じ時間に同じ路線バスで出社する。朝のゴミ捨てを寸前で逃してしまい妻には小言を言われる冴えない日々。

 

「これは俺の物語なのか!?」といわんばかりの共感に引き込まれます。

このストレスがどうやって爆発し発散されるのか期待が膨らむこのオープニングは最高でした。

 

強盗が自宅に押し入り反撃もせず少額の現金を渡し逃がすのですが、娘が猫のブレスレットがないと言い出します。きっと泥棒が現金と一緒に取っていったのだろうと思ったハッチは家族との信頼を取り戻すためにも泥棒を追うのですが、

実は自分の中にある暴力性を発揮したい欲求に駆られているのでした。

大義のない暴力から始まった騒動なのですが、牙をぬかれた狼が再び銃を握る男をどうしても応援したくなってしまうのは人間の性なのでしょうか?

 

ジョン・ウィックのような作品ですが、ジョン・ウィックのように大切なものを奪われた訳ではないことが大きな違いです。

 

 

それでもアクションは最高!

なんだかんだ言ってもアクションは最高のものとなっています。

特に、ラストの工場での最終決戦は超凶悪な「ホームアローン」のようでとても爽快です。

ライフルで3人抜きのショットなんか不謹慎ですが爽快ですし、メタルギア好きならお馴染みのクレイモア地雷を使ったアクションは斬新でよかったですね。

あれはクレイモア指向性だからこそできる攻撃でなるほどなと感心してしまいました。

フォードマスタングに乗ってのカーチェイスシーンもスリリングですし、クリストファー・ロイドの大暴れも見ものです。

 

ハッチのタトゥーの意味は?

泥棒捜索時に立ち寄ったタトゥーショップで退役軍人の男がハッチの手首に彫られたタトゥーを見て逃げ出します。

ハッチ手首のタトゥーはトランプのスペードの7とダイヤの2でした。

この意味はポーカーのテキサスホールデムで最弱の手札で、ストレートを作ることができないからです。

これが相手に向いているということは、「このカードを引いたお前は負けだ」と言っているようなものなのです。

なかなか無慈悲なメッセージですよね。

 

ハッチは何者なのか?

家族内では元軍人と語られていますが、ロシアンマフィアの黒人には「3文字の政府機関で会計士をしていた」と語ります。おそらくCIAと思われます。

「逮捕ができないから全員始末する」とまで言っていました。政府のデーターベースからもその名を抹消された男は存在しない男として政府のために殺しをしていたと思われます。

 

エンドロール途中でおまけシーンがあるので終わってもすぐ停止しちゃだめですよ。

 

 

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